激速ダルマセリカの心臓部は3S-G
ターボチューンで450馬力を発揮
1970年に登場した通称ダルマセリカこと「トヨタ」の『初代セリカ(TA20型系)』。ノッチバックボディのスペシャリティカーで、1973年に追加ラインアップされたのが「セリカLB」3ドアリフトバックだ。
6月11日に兵庫県セントラルサーキットで開催された「ClubRH9ゼロヨン&サーキット走行会inセントラル」で、このセリカが登場。
ゼロヨンタイムは10秒971を記録。ボディはオーバーフェンダーなどは付けていないのに、ワイドなドラッグラジアルを装着するなど、じつに見所満載のマシンだった。
このセリカのオーナーは子供の頃から初代セリカLBに憧れていて、初の愛車として1991年に中古1975年式を購入したそうだ。
一見、ストックボディのように見えるが、ドアはFRP&アクリルガラス付き。現在はフロントフェンダーもFRPと軽量化を施す。
「ボディ形状を変えないことがこだわりです」とオーナーは語る。
しかし、純正ホイールハウスにこのサイズのタイヤを納めるのはさすがに厳しく、インナー側はスペースを拡大する加工を施している。
ちなみにフロントは、205/50R15のポテンザRE710に同じくTE37を装着。ただし、ストラットはトヨタAE86型カローラレビン/スプリンタートレノ用に換装。そのおかげで日産R32型スカイラインGT-Rのブレーキキャリパーを装着できるようになったそうだ。
もともと車重が1tと軽量なため、これだけで十分な制動力を発揮するそうだ。
18R-Gから3S-Gへ換装してT78タービン搭載
さて、搭載するエンジンだが、以前は2リットル直4DOHCの18R-G型を搭載していた。
これを2.2リットルに排気量アップするなどのメカチューンを施しNOSをプラス。トヨタ・スープラ用のトランスミッションをベースにクロスレシオの強化ギヤを投入するなどで、ドラッグレースを楽しんでいたそうだ。ところがレース中にエンジンが発火してブロー。
そこで新たに投入したエンジンが、トヨタMR2用の3S-G型2リットル直4DOHCエンジンだ。これにトラストのT78-33Dタービンをセットして、アペックス製パワーFCで制御して450psを発揮。トランスミッションは、HKS製の6速シーケンシャルを搭載する。
インテリアを見ると、ステアリングコラム前にはオートメーター製大径タコメーターのほか、各種メーターが配されているが、ダッシュボードが純正なのでノーマルのイメージをしっかりと継承している。
足回りは、リンク関係はかなり変更を施しているそうだが、ホーシングはノーマル。18R-G型エンジンを搭載するRA25型セリカは、純正リヤデフが7.5インチと大容量なので、このエンジンのパワーを受け止めるデフを搭載できるそうだ。
このように初代セリカのノーマルフォルムをキープしつつ、ゼロヨンを10秒台を記録するドラッグ仕様ができあがったわけだ。
ClubRH9ゼロヨン&サーキット走行会inセントラルを開催するRH9グループ
(撮影:伊藤吉行)
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