ホイールは独立した作品ではなく
常に愛車を際立たせるためのパーツ
「ただ、ホイール作りのプロフェッショナルとして、昨年の自分よりも高いレベルにいなくてはいけないと思います。ですから発表する新作には何かしらの新しいアイデアが盛り込まれています。デザイン的なアイデアであったり、最新技術を使ったものだったり、その商品の核になる部分は進化をさせることを自分への命題としています」
「革新的なものを強く追い求めているわけでもありません。それはファクトリーメーカーにお任せしています(笑)。ただ、“ホイールはクルマに付けてナンボ”ということは自分が生粋のチューニング・フリークでもあるので強く心に刻んでいます。作品としての仕上がりを細部まで突き詰めるということは当然ですが、ホイールがそれだけで独立した作品になるということではなく、常に愛車をカッコよくするためのパーツであるということがその使命と考えています」
カッコいいホイールはクルマと一体化するもの
手を入れてこそ、愛車もホイールも引き立つ!
カッコいいホイールはクルマと一体化するもの、クルマの魅力を引き上げるもの。
洋服でも既製品とフルオーダーでは同じスーツでも着こなしの印象が変わるように、ホイールもノーマルのまま装着するよりも、車高を下げ、キャンバーなどに手を入れることで、カッコよさの相乗効果を生むと萩原氏は考える。
「わたしは、惚れ込んだクルマを手放せない一方、最新型のポルシェGT3も何とか手に入れて、クルマに対する感性にカビが生えないようにしています。それがポルシェといえどもカーメーカーから出荷される吊るしの状態のままにしておくのではなく、そこからさらにカッコよさを追求したいと身銭を切ったクルマで日々悪戦苦闘しているわけです。それこそがクルマが趣味といえることで、より多くのお客さまにも愛車に同じ気持ちで接していただけるようになればいいと勝手に思っています」
「個人的な思いを語れば、日産GT-RやポルシェGT3であっても、所詮カーメーカーが公道を安全かつ合法的(この部分にも一過言ありますが、それは今はやめておきましょう)に走らせるための最大公約数で出荷しているものです。ノーマルの車高じゃないとディーラーに入れないという考えはナンセンスだと思います。クルマはメーカーから預かっているのではないので、魅力を自分なりに引き出さないともったいないですね。目標は、自分が自分のクルマに見惚れるクルマに仕上げること。その過程で失敗してしまうこともあるかもしれませんが、それも含めてそれこそが本来あるべきクルマ趣味だと考えています」