ウインカーを点灯させればOK?
正しい「合図」を出すタイミングとは
「日本一ウインカーを出さない県」と自虐的な動画が話題となったが、そもそも“イラッ”というより、もはや危険すぎる行為である。
今更なのだが、右折、左折時はもちろん、車線変更時にウインカーを出すのがルールである。
道路交通法の第53条「合図」では、【車両(自転車以外に軽車両を除く)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、または同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示機、または灯火により合図をし、かつ、この行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない】 と定められている。
つまり、きちんとルールを守らなければ、道交法違反。
「そんなの当たり前のようにやってるわ!」という読者諸兄姉のご意見の通り、ウインカーを出すのは当然。重要なのは「私、いまからクルマの進行方向を変えますよ!」の合図としてウインカーを出すタイミングに加え、クルマの進行方向を変えるまでの一連の動作をきちんと実践することなのだ。
自己中心な運転者ほど
ウインカーも安全確認もナシ
例えばこんな感じ。 1曲がりたい(または車線変更をしたい)→2曲がりたい方向を確認する(ミラーや目視)→3ウインカーを出す→4曲がるための動作を始める→5再度確認→6曲がる。
しかし、実際には2、4、5を端折る(安全確認ナシ)。あるいは3も端折って1と6(ウインカーも出さず、安全確認もナシ)だけなんていう最悪のドライバーに遭遇することもあり、そんなときに苛立ちを覚える。
苛立つだけでならまだ我慢もできるが、追突事故の可能性をはらむ状況でのルール無視は許せない。
交差点もなく流れがスムーズに見える単路で、沿道にあるコンビニやガソリンスタンドといった施設へ入ろうとしているにもかかわらずウインカーを出さないドライバーが意外に多い。
事実、追突事故のおよそ60%が単路で起きているというデータもあり、進路を変えるために減速・停止する意思表示が遅い、あるいは行なわないことが原因となっているわけだ。
ウインカーを点灯させるのは
行為を行う30m手前&3秒前
また、ハンドルを切る直前でもなく、進路変更を始めてから思い出したように出すのもNG。周囲にクルマや人がいないから出さないというのは言語道断。
ウインカーはドライブ中にあなたの意思を周囲に伝えるために重要な手段なのだ。右左折またはUターンするなら、その行為をしようとする地点から30m手前。同一方向に進行中に進路を変えるときは行為を行う3秒前。これらは基本であり、ルールである。
複数の交差点が接近している道路で右左折する場合、30m手前での意思表示は、後続車に「どこを曲がるの?」と困惑させてしまうかもしれない。
しかし、後続車に対して意志が確実に伝わっているわけだから追突される可能性はグッと低くなる。自分の思いを相手に伝えて理解してもらえればなにごとも円滑に進む。人間関係と同じく、クルマ対クルマもコミュニケーションがとても大切というわけだ。
しかも、30m手前や3秒前というルールを意識することによって周囲のクルマと確実にコミュニケーションがとれる。
なおかつ、進路変更をするために必要な一連の動作をきっちり実践すれば、自ずと交通状況や流れを乱さない運転ができる。安全なうえに同乗者には安心感を抱かせることにも繋がる。もちろん交通違反にもならない。
ちなみに30mの目安だが、一般道の白線の長さは5mで、その間隔も5m(制限速度や道路幅によって異なる場合あり)と言われる。すなわち、白線と間隔を合わせた1セットが10mなので、白線3〜4本分を目安にするといいだろう。
仮にマナー最低、ルール無視のドライバーとクルマに出会ったとしよう。
そんなときは「ウインカーを出す余裕がない」運転技術の低い人か、あるいは「唯我独尊の意味をはき違えた」コミュ障な人だと思えばいいのである。
たとえウインカーを出すのは遅いクルマに遭遇してもイラッとせず、あなた自身がルールを守り、安全なドライブを実践することのほうがなによりも重要なのだ。
くれぐれも安全運転を!!