初心者から海外レースのチャンピオンまで
世界各国の女子が集まるワンメイクレース
出場ドライバーは“女子だけ”という、「Ladies No.1 Race(以下L1)」が6月25日に静岡県・富士スピードウェイ国際レーシングコースで開催された。
この女子オンリーの歴史的なレースは、富士チャンピオンレース第3戦のなかにプログラム。ナンバープレート付きのワンメイクレース車両となるトヨタ・ヴィッツ、マツダ・ロードスター、デミオによって行われている。
つまり、車種ごと(ロードスターのみ3クラス)に5つのクラスに分けられて、女子ドライバーがバトルした。記念すべき第1回大会には25名のエントリーがあり、トヨタ勢が13台、マツダ勢が12台という内訳となった。
近頃は、サーキットでの女性の活躍を目にする機会が増えてきた。
とは言え、まだまだカーレースと言えば男子がメイン。女子ドライバーが男子に混じって表彰台を目指すのは敷居が高いと思われがち。
そこでその勢いをさらに加速させるべく、女性たちが気軽にレースに参加できて、もっと活躍できる場をつくろうというさまざまな方面からの思いによって、今回のL1レースがその第一歩として実現。ズバリは、誰でも参加しやすい底辺モータースポーツの活性化が狙い。
このL1レースは、FIAとJAFが提唱する「WOMAN IN MOTORSPORT」活動の一環としてJAF(日本自動車連盟)が公式にサポート。
WOMAN IN MOTORSPORTとは、モータースポーツでの女子の参加を促す(強化する)世界的な組織(Commission)のこと。
当日は、JAF WOMAN IN MOTORSPORT アンバサダの井原慶子さんも富士スピードウェイに駆け付け、L1レースを見守った。
「L1レースには、タイ、台湾、日本の世界3カ国、合計25名もの女性のエントリーがあり、笑いあり涙あり……予選もレースも熱かったですし、真剣にレースがしたい!って女性がたくさん集まってくれたのがとても嬉しかったですね。レッスンも含めると、女性だけで100人近くのドライバーが一堂に会するというイベントになって、今後の大きな一歩を踏み出せたのではないかと思います。サポートしてくださったみなさんに感謝ですね」と井原慶子さん。
とにもかくにも、富士チャンピオンレース第3戦でL1レースに割当られたピットやパドックはいつもの見慣れた風景とは違い、大勢の女性ドライバーでまさに「華やか」の一言。女子同士が会話をしているワンシーンを切り取ると笑顔の絶えない“女子会”そのもの。
レースだけあって心地よい緊張感に包まれつつも、レースならではのピリピリとした雰囲気は完全にやわらいでいた。
L1レースの出場選手には、ヴィッツレースに10年以上出場している強者や海外レース(タイ)のシリーズチャンピオン、スーパー耐久レースドライバー、現役のレースクイーンやモデル、なかには、サーキット走行が初めてというレース未経験者も含まれ、L1レースが何たるかを説明するのにとても分かりやすい。とてもバラエティ豊かな選手ラインナップが6周のレースを戦ったのだ。