台風シーズンは要注意!!
風速30m/s以上で大人でも制御不能に
JAF(日本自動車連盟)が「強風時におけるドア開けの危険性」という、台風シーズンを前に興味ある実験を試みた。
勢いよくドアが開いてしまって、危うく隣の車に当ててしまいそうになった。風によってクルマのドアが煽られたことは、誰もが経験したことがあるはずだ。
そこで、20m/s、30m/s、40m/sと異なる風速を想定。「各風速でドアを押さえらるか?」および「隣の車への加害性」が検証された。
テスト1:ドアを押さえられる限界は!?
隣に駐車したクルマを想定したパイロンを設置し、モニターがドアを開けた際にパイロン手前でドアを押さえられるのかを検証。
結果、子供は2人とも風速20m/sでもドアを押さえることが不可能に。大人の場合、風速20m/sでは押さえることができたものの、風速30m/sでは男性でも押さえきれず、風速40m/sになれば成人男女ともドアを制御することは不可能だった。
テスト2:隣の車へ与えるダメージは?
今度は、隣に停めてあるクルマに自車のドアが当たった場合、どれだけの衝撃を与えるのかをテスト。
当然ながら風速が高まるほどダメージは大きくなるが、風速20mでさえ凹みや傷ができてしまうのだ。
強風時、安全に降りるにはどうすべき?
風速30m/sを越えると、大人の男性でさえドアをうまく開けることはできない。
では、台風などの強風時にはどうやって降りればいいのだろうか。
■大人の場合
ドアレバーを引きながら少しだけ開いて風の強さや後方を確認。両手でドアを押さえながら、少しずつ開いてからゆっくりと出る。
ここで注意したいのはイッ気にドアを開けず、必要最低限だけ留めること。
■子供の場合
大人が先に降りて、外から子供が乗ったドアを開けて降ろす方法が最も安心。
後席ドアの側面にある「チャイルドプロテクター(チャイルドロック)」を使って、車内から不用意に開けられないようにすることもポイントだ。
ちなみに風速20〜25m/sは、なにかに掴まっていないと立っていられないほどの暴風。おおよその時速でいえば〜90kmで、高速道路で走る自動車なみの速さなのだ。
台風のニュースでは風速40m/sとも聞くことがあるが、その速さは140km/h以上。ドアの開閉に与える影響は計り知れないことを理解しておこう。
参考:風の強さと吹き方(気象庁)
これらの結果を踏まえ、JAFでは下記のようにまとめている。
- 強風時は大人でもドアを押さえられないことがあるので、ドアの開け方に注意する。
- 子供は勢いよく開くドアによって体のバランスを崩し、車から転落することもあるので、大人が外からドアを開けて降ろす。
- 実際の突風や台風による強風はさらに強いエネルギーを持っており、周囲に車や障害物がなくても、ドアが開ききってヒンジ(ドアを開閉させる部品)が壊れることもあるので注意する。