エボVIだがエンジンはMIVEC
さて、今回取材したのはランエボVI。前述したように、オーナーは、このクルマの前に新車で購入したエボIを所有していた。しかし、エンジンブローをしてしまったため、エボVIに乗り換えることにしたそうだ。
つまり、ランエボの第1世代と第2世代を経験したことになる。
メーター上の走行距離は約10万kmだが、6万4000km時にメーターを交換しているので、実質の走行距離は約16万km。
車内を見るとKansaiサービスのリフレッシュバーを装着。ボディのヘタリを予防する処置が施されている。そして、このクルマのトピックとなるのがエンジンだ。
実は、2006年にランエボIXが搭載するMIVECエンジンに換装していたのである。このときの走行距離は約7万8000km。
当時はタービンやインテークまわりまで付いて58万5000円だったという。
ハッキリ言って、エンジンをオーバーホールする工賃+パーツ代より乗せ換えたほうが安かったわけだ。
しかも、可変バルブタイミングシステムMIVEC付きにできるとなれば、よほど従来のエンジンに固執しない限りオーバーホールという選択肢はないだろう。
実は、完成度の高いエボVIII以降のエンジンに比べると、それ以前のユニットはややトラブルが多いそうだ。そのような理由もあって、このクルマのオーナーも迷わずエンジンを換装したわけだ。
現在は新品の4G63型エンジンが手に入らないので、Kansaiサービスではオーバーホール時にMIVEC化するメニューを用意しており、その価格は30万〜40万円(オーバーホール代は別)。
ちなみに、このMIVECエンジンを搭載したエボVIは、さらにカムシャフトをIN側272度、EX側278度に変更。東名パワードのエキマニなどを装着したブーストアップ仕様。
オーバーホール前のパワーチェックでは、365.1ps/6340rpm、49.4kgm/3500rpm。ノーマルのMIVEC付き4G63型エンジンの280ps/41.5kgmを超えるパワー&トルクを発揮していた。
さて、チューニングメニューだが、ベースとなるエンジンの素性が良いため、HKS製の鍛造ピストン&コンロッド、フルカウンタークランクシャフトのキットで排気量を2リットルから2.3リットルにアップする。
エンジンブロックは、ボアをコンマ5mmボーリングで広げ85.5mmに。ストロークは88.0mmから96.0mmへとさらにロングストローク化。タービンは、現在のノーマルを継続使用する。
ノーマルでもトルクフルな4G63型エンジンが、さらに太いトルクを発生する仕様になるそうだ。
次回はMIVECエンジンの内部に迫る!
取材協力:Kansaiサービス TEL0743-84-0126 http://www.kansaisv.co.jp/