静粛性の高い車内をリスニングルームにする
「ライトハーモニック」オーディオシステム
アメリカ製電気自動車「テスラ」は、高級サルーンのようなフォルムと装備、さらに圧倒的なパフォーマンス、長い航続距離、そして先進的な自動運転技術が特徴だ。
そんなテスラのドレスアップを手掛ける「ハートアップワールド」がアメリカのカーオーディオメーカー「ライトハーモニック」のテスラ・モデルS用トレードイン・オーディオシステム「S12P」と「S4D」の2種類の販売を開始。9月よりデリバリーをスタートさせるという。
アメリカのカーオーディオメーカー「ライトハーモニック」は、カリフォルニアに拠点を置くオーディオメーカーで、高級据え置き型DAC(デジタルアナログコンバーター)を得意とし、てテスラ・モデルS(下の写真)用のオーディオシステムもリリース。アメリカでは、テスラオーナーから高い支持を受けているだけなく、テスラのサードパーティメーカーとして認知されている。
テスラ・モデルSは、高級サルーンタイプの電気自動車で、モーター駆動ならではの車内静粛性の高さを誇る。その分、カーオーディオのサウンドに対する評価は、通常のガソリン車やディーゼル車などの内燃焼機関エンジンを搭載車に比べるとかなりシビアだ。
テスラ・モデルSの純正カーオーディオには、標準モデルとウルトラハイファイサウンドシステムの2タイプがある。その違いは、スピーカーの数とサブウーファーの有無。音源(USBメモリーやスマホ)との接続は、USBケーブルまたはBluetoothで、写真のようなタブレットのようなモニターで操作を行う。
アンプ/スピーカー/サブウーファーを
トレードインするだけで高音質を実現
ライトハーモニックのテスラ用オーディオシステムは、ウルトラハイファイサウンドシステム用が『S12P』で29万8000円、標準モデル用の『S4D』は32万8000円という2タイプをラインアップしている。
いずれも純正オーディオと交換するだけで、特別な配線などの加工は一切不要。もちろん、純正オーディオの操作系も使える。
ライトハーモニックのテスラ用オーディオシステムの構成は、『S12P』がアンプ(デジタル)とドアスピーカーが4つ、サブウーファーとなっている。『S4D』は、これにウーファーボックスがプラスされている。
なお、黒いモデルSは、ライトハーモニックの日本発売元である「ハートアップワールド」のオリジナルエアロとホイール、ブレーキキット、エアサスコントローラーを装着されているが、内装に関してはノーマルだった。
結論から言ってしまうと、純正とライトハーモニックとのサウンドの差は明らか。
純正は、再生レンジが狭く、高音は伸びきらないし、低音も奥行き感が足りない。
ところが、ライトハーモニックは、再生帯域が広がっただけでなく、アンプやスピーカーのレスポンスが求められる音楽でも、忠実にサウンドを再生することができる。
具体的には、3本のベースギターがそれぞれ違うテンポで奏でるシーンで、ギター1本ずつがシッカリと聞き分けられるのだ(分解されていた)。
純正オーディオでは、同じシーンでギター3本が混濁して、ボヤッとした音楽とは大違いなのである。
これは、ライトハーモニックのデジタルアンプのパワーが1980W(純正は450W)と高いことと、カーボン製コーンに大型ネオジウムを採用するマグネットからなるスピーカーによるところは明らかだ。
カーボン製コーンは、強度が高いためマグネットの性能が求められるが、レスポンスに優れるアンプからの信号に反応し、ネオジウム・マグネットがスピーカーの駆動をシッカリと制御していると感じた。
また、トゥイーターは純正のままなのだが、アンプの性能が高まっているため超高音域の音質が変化。純正状態では耳に突き刺さるようなサウンドが、ライトハーモニックのアンプを接続したことでマイルドながらも正確な再生を実現しているのだ。
ただ、アメリカ人好みなのか、ややサブウーファーの出方が高めなのは気になるところ。これは、アンプに内蔵されているプロセッサーのセッティングの問題だろう。
ライトハーモニックオーディオの価格は30万円前後。このプライスは高く思われるかもしれないが、これほどの実力をもつスピーカーとアンプ、サブウーファーの3点がセットなら、むしろお買い得ともいえる。
なにより、スピーカーやアンプ装着に特別な加工を必要としないトレードインタイプというのは、工賃を節約できるというメリットは大きいだろう。
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