速いマシンはエンジンもカッコいい
700PS以上を発揮する美しき心臓部
いまや希少なストレート6を採用。直列に配置した縦長の6気筒エンジン「RB26DETT」は、R32/R33/R34と3代に渡って搭載し、耐久性もあってチューニングベースとして30年近くが経過する現在でも人気が高い。そして、第3世代となった現行型R35GT-Rが搭載するV型6気筒にツインターボで武装した「VR38DETT」は、ノーマルでも565PSを絞り出すなど、大きな進化を遂げてきた。
今回、静岡県・富士スピードウェイで行なわれたGT-Rの祭典「R’s Meeting 2017」では、そんなふたつの名機をチューニングしたハイパワーマシンがズラリと展示された。
会場内にはノーマルからブーストアップ、さらには「CLUB RH9」が率いるゼロヨンの激速集団など、多彩なショップ&メーカーのデモカーを展示。今回、700psオーバーを限定に、彼らが手がけたチューンドエンジンをご紹介しよう。
*仕様の具体的な解説はないので悪しからず
PHOENIX’s POWER(R35GT-R)
エンジン:HKS鍛造ピストン、H断面コンロッドSTEP2、JUNカムシャフトIN&EX272°、強化バルブスプリング、1300ccインジェクター、フューエルポンプ改、インタークーラー、DCTオイルクーラーほか
過給器:TRUST TD-06SH改27Zタービン
最大出力:1005.58ps/6250rpm
最大トルク:129.18kgm/5139rpm
Reverse(R32GT-R)
エンジン:HKS87φ鍛造ピストン、HKS H断面コンロッド、1.2mmガスケット、HKSクランク、HKS VカムIN&EX272°、HKS強化バルブスプリング、1000ccインジェクター、NISMOフューエルポンプ、ARCインタークーラー、SARDラジエター、エアフロレス化ほか
過給器:HKS GT III-RS
最大出力:700ps 最大トルク:72kgm
PRO SHOP SCREEN(R35GT-R)
エンジン:TRUSTインタークーラー、HKSサージタンク、TOP SECRETオイルキャッチタンク、ラジエターリザーバータンクほか
過給器:HKS GT800
最大出力:860ps 最大トルク:不明
JUN AUTO MECHANIC(R35GT-R)
エンジン:JUN4.0Lカスタムキット、JUNカムシャフトIN&EX272°、JUNターボキット、1200ccインジェクター、SARDフューエルポンプ、フューエルレギュレターほか
過給器:Garrett GTX3582R
最大出力:1037.2ps/7170rpm
最大トルク:117.5kgm/5690rpm
PRO SHOP SCREEN(R32GT-R)
エンジン:HKS2.8L STEP2キット、HKSカムシャフトIN&EX280°、HKSメタルヘッドガスケット、HKS強化バルブスプリング、HKSオイルポンプ、燃焼室&ポート研磨、オイルパン大容量加工ほか
過給器:HKS GT-III 5R
最大出力:800.9ps/7558rpm
最大トルク:87.0kgm/6383rpm
嗚呼、懐かしの超希少マシンの姿も!
数多くのマシンを展示した「グローバルオート」のブースにて、注目したのは2台の第2世代GT-R。
もちろん、エンジンのベースはRB26DETTだが、その個体こそ超希少なもので、他とはちがうオーラを放っていた。
NISMO R34GT-R Z-tune
R34GT-Rをベースに、レース活動で築き上げてきたNISMOのノウハウを投入して開発。
「世界最強のロードゴーイングカー」をキーワードに、作り上げたコンプリートカーが「NISMO R34GT-R Z-tune」である。
NISMOが20周年を迎えた2004年にデリバリー。購入できたのは、わずか20名という限られたユーザーのみ。「RB26DETT改 Z2」エンジンを搭載した希少な1台は、いま見ても美しい輝きを放っていた。
HKS ZERO-R エディションIII
HKSテクニカルファクトリーによって復刻された幻の名車「HKS ZERO-R」。
そのファーストモデルから進化を遂げた”エディションIII”は、2009年と2015年の東京オートサロンで実際に展示されたもの。
2008年に総バラシを行ない、徹底的なボディリフレッシュが施された。
日本が誇る第2世代と現代の名機「RB26DETT」と「VR38DETT」。
高い耐久性とポテンシャル、そして乗り手をワクワクさせるエキゾーストノート。ノーマルからチューニングまで、その魅力が色褪せることはないだろう。
永遠に。