一般的なガラス脱着工賃に+5500円
R32用オリジナルモールも1万円で用意
「横浜ゴム」の『ハマタイト・ハイパーシーラント』は、フロントやリヤのガラスとボディの密着を高めることで、ガラスの強度を利用してボディ剛性をアップする自動車ガラス用接着剤。
そんな夢のようなガラス用接着剤を使う「ボディ剛性アップ・メニュー」を大阪府の「田中オートサービス」が提案。基本コースは、通常の接着剤を使用したガラス脱着工賃に「+5500円(以下価格はすべて税別)」としている。
ちなみに、日産R32型スカイラインGT-Rに施工した場合の基本工賃は3万5100円。オプションでスポット増しも設定するほか、R32型スカイライン用のオリジナルフロントウインドモール(1万円)も用意している。
「横浜ゴム」がリリースする接着剤類ブランド『ハマタイト』の自動車窓ガラス用高弾性接着剤『ハマタイト・ ハイパー・シーラント』は、高強度ポリマーや特殊添加剤に独自のブレンドを施すことにより、硬化後の弾性が一般的な接着剤に比べ高くなっている。
従来の接着剤ではフロントおよびリヤウインドウガラスはフローティング状態だったが、『ハマタイト・ハイパーシーラント』では、ボディーにかかる応力を積極的にガラスに負担させることで、キャビン部のボディー剛性(ねじれ剛性)が向上。結果、ボディー変形が減少し、応答性や安定性の改善効果が期待できるわけだ。
横浜ゴムのタイヤ開発に携わるテストドライバーからも「サスペンションの動きが良くなった」などの評価は高く、測定器でもねじり剛性が40%改善したという結果が出ている。
田中オートサービスでは、通常の接着剤を使用したガラス脱着に5500円をプラスするだけで、ボディ剛性を高める『ハマタイト・ハイパーシーラント』施工を設定した。
ちなみにプラス5500円という価格は、『ハマタイト・ハイパーシーラント』を1本で施工できた場合。
ミニバンなどウインドウ面積(窓枠の周囲が長い)が大きなクルマでは2本必要となるとプラス1万1000円となる。接着剤のつきを良くするために、ガラスと窓枠に同梱の専用プライマーを塗付する。
『ハマタイト・ハイパーシーラント』は、一般的な接着剤より容量が若干少なめ。
具体的なトータル工賃は、R32型スカイラインGT-Rなら3万5100円。
しかし、R32型スカイラインのような古いクルマは、ウインドウガラスの接着面に錆が発生していることがある。その補修も含めると工賃はアップしてしまうが、距離を重ねヘタったボディの剛性を高めるついでに防錆もできると考えれば、費用対効果はかなり高いと言えるだろう。また、現行トヨタ・プリウス(50系)やドイツ車などは、純正ガラス用接着剤が『ハマタイト・ハイパーシーラント』と同じような効果を持っているので施工するメリットはないそうだ。
不幸にも飛び石などでウインドウにヒビが入ってしまってガラスを交換するなら、プラス5500円で『ハマタイト・ハイパーシーラント』を導入するといいだろう。
ガラスの脱着時にスポット増しをプラス
さらなるボディ剛性アップが低予算で可能
「田中オートサービス」では、ウインドウの脱着メニューのオプションとしてスポット増しも提案している。スポット数(窓枠の大きさで異なる)にもよるが、セダンやクーペクラスなら4万円。ここには錆落としや防錆加工、塗装までが含まれている。
なお、スポット増しの作業する際には天井などの内張りを外す必要があるので別途脱着料が必要となる。車種によって工賃は異なるが、R32型スカイラインGT-Rなら1万円だ。
R32スカイラインGT-R用
ウインドモールが1万円
田中オートサービスのウインドウメニューで注目したいのが、R32型スカイラインGT-R用のオリジナルフロントウインドモールだ。
純正部品では、この部分が3分割化(ウインドウ上部・左右)されている。ガラスの脱着をするとき交換しなければならないのだが、プラスチック付きのゴムシールながらも約4万円。せっかく工賃を安く抑えても、周辺パーツの価格が高いと施工するのに二の足を踏んでしまうだろう。 そんなユーザーマインドをくみ取り、田中オートサービスでは一体式のオリジナルフロントウインドウモールを製作。同社でウインドウの脱着を行ったクルマに限って1万円で販売・装着をしている。なお、フロントウインドウモール単品の販売はしていない。
田中オートサービス TEL072-883-5886 http://tanakaauto.com/
取材協力:平尾安全ガラス 東大阪営業所 TEL072-961-2455