鮮やかなボディカラーで魅了する2台のビート
フレッシュなオーナーらしいイマドキを投入へ
悪天候のため、翌日に順延して開催された「KING OF K-CAR Vol.11」。Kカーを主体としたカスタム誌”K-STYLE”による「K-STYLE CUP Vol.4」も併催し、全国から数多くのKカー乗りが集結した。
そこで見つけた異色のユーザーカー2台。発売から25年以上という、ホンダの誇る2シーターオープンの軽自動車「BEAT(ビート)」だ。
フレッシュな世代が、古臭さを払拭する多彩なアレンジを投入し、現在の”S660″にも負けないオーラを漂わせていた。
オーナー自身も語ってくれたが、このビートは他車とは違う”完全オリジナルの一台”。ボディは、レインボーフレークを混ぜたフェラーリ・ロッソコルサのレッドに、足まわりは「シュピーゲル」の車高調をベースに他車種用ダンパーを組み合わせ、スプリングレートはF:7kg/R:8kgとマイルドな乗り味にセッティング。
オーナー曰く「乗り心地はそんなに悪くない」とか。しかも、この車高でイベント会場までくるのだから恐れ入ります。
テールまわりも、サイドステップ同様「レーシングハマー」がベース。
マフラーの「フジツボ」は、リアバンパーの開口部に合わせてマフラー口径を小さくモディファイ。内巻きデザインだった「レーシングハマー」のサイドステップを張り出すように加工したのもうなずける。
タイヤサイズは、F:165/45、R:185/45。ホイールの奥に見えるのは、「エンドレス」のブレーキキャリパーだ。
また、圧巻なのが「スパルコ」のステアリングの巻き替えと大胆なカット。ゲーム用のステアリング?ぐらいコンパクトに感じる。ドアのアウターバッフル含めデッドニングなど、サウンドメイクもお見事だった。
フェアレディZ(Z32用)の純正加工なのだが、そのままトランク部に載せるのではなく取り付け部のステーをイチから作り、トランクのラインに合わせるよう後方へとセッティングした。
オープンボディとの相乗効果で、より低く長くボディを見せることに成功している。
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ビートが初の愛車だというオーナーの中村サンいわく、最初の愛車は「ABCトリオのどれかにしたかったんですよ」。
“ABCトリオ”とは、マツダAZ-1、ホンダBEAT、スズキCappuccinoの3車種。90年代初頭を席巻した御三家だ。カスタムのテーマは「シンプル&スポーティ+少しGTカーイメージ」とか。“GTカーのイメージはどのあたり?”と聞くと、「ワンアームワイパー」と返ってきました。確かに、フロントウインドウに立てたワイパーの姿といえば、一時代を席巻したスタイルだ。
次はFRP製の放熱トランクへの変更と、ボンネット上にあるウォッシャーノズルのスムーシングが課題とか。愛情込めて着実に完成度を上げていっているのがわかる一台だ。
フロントバンパーは「レーシングハマー」がベース。ダクト部にあった横一本のルーバーをカット、さらにヘッドライトとバランスを取るためバンパーの開口部を約1.5cm広げている。
そして、オーナーが気に入っているというヘッドライト。スバル・インプレッサのマルチリフレクターを中に入れて光軸調整できるように加工した自作品だ。
ホイールはチャンピオンシップホワイトに光るレーシーなENKEI RC-S(F:14×6・ET35/R:15×6.5・ET35)。
スポーク部にはさりげなくオレンジのステッカーをアクセントとしてプラス。タイヤはATR Kスポーツをセットした。
ボディへの穴開け加工はしていない様子のロールバー。実はこれも個人で作っている「totoファクトリー」製なんだそうだ。
念願だったという「匠管ツインテールマフラー」。
他のビートマフラーには存在しないサウンドとルックスは、個人でマフラーを作っている方に頼んで作ってもらった一品もの。細めのメインパイプは、長さを確保しているのでトルクが落ちる、抜けすぎる、ということなく甲高いサウンドを放つ。
自作したテールライトもブレーキ、バック、ウインカー、全てをLEDに打ち替え。
ヘッドライトを始め、前後ライトを完全オリジナル化にした。
中村祐樹さん(埼玉県所沢市)
(撮影&リポート:木村隆之)