マイカーをうまく撮影するための基礎編
「基本の構図」と「ピント合わせ」から
今回から、読者の皆サンに撮影ノウハウをお伝えする企画「実践写真教室」がスタート。綺麗に、カッコ良く写真が撮れたら嬉しいですよね。ぜひ、皆サンとその喜びを共有できればと思います。
第一回目は、「構図」と「ピント」について。まずは、最もスタンダードなアングル「フロント7:3」について。クルマの特徴がよく伝わり、しかもカッコ良く見える超便利な構図です。コツはふたつ。「クルマと適度に距離をとる」と「7:3の割合を調整する」こと。
というわけで、初心者に向けて一眼レフを使った賢い撮影方法をお伝えしましょう。
テーマ「基本の構図フロント7:3」
近い位置でクルマ全体を写そうとすると、どうしても車体がぐにゃっと歪んでしまいます。
よって、標準レンズではクルマから5メートルほど離れた距離からズームして、フレームにクルマを収めてください。すると、見たままの姿でクルマを写せます。そして、二つ目は、クルマのアングルを見極めること。
そもそも「7:3ってなに!?」って思いますよね。撮影位置から見て、車体サイドの割合が7、フロントが3。その角度から眺めたクルマの見え方です。例えば、カー雑誌では基本的に「フロント7:3」。クルマの見え方をよく観察しながら立ち位置を調整して、美しいアングルはどこなのかを探ってみましょう。
ポイント1「クルマと適度に距離をとる」
クルマから最低3メートルは離れる。理想は約5メートル。
真横から見ると、撮影時は意外と距離が離れていることが分かります。
ポイント2「7:3の割合を調整する」
車体のアングルは、サイドとフロントの割合は「サイド7/フロント3」で。クルマが7:3に見える角度はこの辺り。自分の足で歩いて確認すべし。
「適正な距離から7:3の角度で撮影」は基本的な方法ですが、写真がぶれないことも大前提。
脇をギュッと締めてカメラを固定しましょう。慣れてきたら寝そべって撮ってみたり、アングルを変えてみるのも楽しいですよ。
それでは、次のページで「ピント合わせ」について解説しましょう。
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初心者にありがちなピンボケは
フォーカスロック撮影で解消
「ピント合わせ」がうまくいかず、被写体がボヤけて写ってしまうピンボケ。ここは、”フォーカスロック”というテクニックを使って、狙い通りのポイントにピントが合った写真の撮り方を勉強していきましょう。
まず、ピント合わせは「任意選択モード」で行なうこと。「自動選択モード」は便利な機能ですが、自分が狙った場所にピントが合うとは限りません。明確な撮影イメージを持っている場合はなおさらです。
次にAF(オートフォーカス)枠を中央に。その状態でファインダーを覗いて、ピントを合わせたいポイントと中央の枠を重ねます。その状態でシャッターボタンを半押しすると、”ピピッ”という音とともに中央の枠が赤く光り、その場所にピントが合うはず。
そのままシャッターボタンを押し込むと、中央にピントが合ったまま撮影可能に。ちなみに、クルマはヘッドライトにピントを合わせるのがベストと言われています。
テーマ「フォーカスロック撮影」
そして、「フォーカスロック撮影」の解説。
中央の枠にヘッドライトを重ねてから、シャッターボタンを半押し。そこまでは同じです。そこでボタンを半押したまま、フレーム内で正しい7:3になるようにカメラをスライドさせましょう。この時に構図が変わってもボタンを離さない限り、ピントはヘッドライトに固定されたままです。あとはクルマの上下左右が見切れていないか確認してから、シャッターを押し込むだけ。
ピントは平面に合うので、ロックした後は上下左右にカメラを動かしても、ヘッドライトからピントはズレません。ただし、奥行きが変わるとズレてしまうため、半押しした状態での前後移動はNG。その場合はシャッターボタンから指を離して、ピント合わせからやり直しましょう。
ポイント1「AFフレーム選択を任意選択に」
キヤノンの一眼レフカメラの画面を例に説明すると、「自動選択モード」にしている場合は全ての枠が青く表示。
機種によってボタンは異なりますが、十字キーやダイヤルを操作して中央の枠を選択しましょう。光っている枠が中央だけに表示されていれば準備はOKです。
ポイント2「ピントはヘッドライトに」
ファインダーを覗いて、中央の枠とクルマのヘッドライトが重なる位置でシャッターボタンを半押し。
指はそのままの状態をキープし、カメラを左右にスライドしてクルマをフレーム内に収める。構図が決まったら、ボタンを押し込めばOK。
フレーム内に距離が近いものと遠いものが入り混じっている場合や、強い光が入るようなシチュエーションにおいて、フォーカスロック撮影は特に効果を発揮しますよ。
次回の「写真教室」は太陽光の向きとドラマチックな写真の撮影方法について紹介します。
(レポート:VIP STYLE奥)