電子機器の基盤をプリントする技術で
電飾をも実現させた”紙のデコトラ”
電飾がキラキラ光るデコトラのペーパークラフト、その名も『DECOTRA』。
この作品を企画したのは、NTTの協力会社として94年間に渡って通信用保安器などの機器を製造してきた「川口電機製作所」を中心としたプロジェクトチーム「紙エレ研 Team DECOTRA」だ。紙に電子機器の基盤をプリントする技術を応用。ペーパークラフトにLEDを配置して電飾として光らせることを実現したのである。
精密なペーパークラフトとデコトラとの融合。その発想は「デコトラは日本の文化。それを世界にアピールすべき」というデザイナーの意見から生まれたという。
「1枚の紙から光るデコトラを実現する」
ペーパークラフトの型紙がこちら。B3サイズ(364×515mm)の厚紙に「銀ナノインク」という導体のインクを使って基盤をプリント。箱の部分にLEDが多数接着されている。
型紙の切り取り線に沿って各部品を抜き、組み立てればデコトラの完成だ。
LEDは1個あたり5mm角にも満たない超小型サイズ。
箱だけでなくキャブ回りに付けて光らせることも可能だという。
左からB1(728×1030mm)、B3、A4サイズの型紙を元に作られた「DECOTRA」ペーパークラフト。
こちらがB1サイズのDECOTRAの型紙。
左の人物がプロジェクトのリーダー的存在、「川口電機製作所」の堀金真一さんと右は中心メンバーの柳沢卓さん。
「LEDの新技術にアートの新たな可能性を見た」
ペーパークラフトはもとより、プリント基板の技術を応用したLEDで光る看板の開発にも取り組んでいる。
上の写真を見れば分かるとおり、この技術を使えば文字をかたどったり、光る星を看板に散りばめる、といった芸当も可能。防水の問題さえクリアすれば、実車のアートアップにも活用できそうだ。
ちなみに、柳沢さんが手にしているのが右の写真のB3サイズペーパークラフト。
1/32スケールのプラモとほぼ同サイズといったところ。
「川口電機製作所」と「紙エレ研 Team DECOTRA」によると、Amazonでの通信販売を計画中。「発売時期や価格はまだ未定ですが、1万7000円くらいになると思います。電源は乾電池でもOKです」と柳沢さん。
また、将来的には実車のスケール化など、オーダーメイドのペーパークラフトの製作も実現させたいとのこと。
アナタのデコトラも”光るペーパクラフト”になるかもしれない。
川口電機製作所 TEL03-5491-0111
http://decotra.jp/