ブラバス、イムサ、カールソン、スターテック……
垂涎のコンプリートカーがズラリ
夢あるコンセプトや現実的な問題を解消する新型車が数多く発表された一方で、チューナーたちの自信作も展示された「フランクフルトモーターショー2017」。
今回、「Auto Messe Web」では気合いの入ったチューナーズ・ブランドのデモカーをピックアップ。インポートカー雑誌「af imp.」協力のもと、注目の15台をレポートしたい。
『BRABUS』
〜ブラバス〜
威風堂々メルセデスチューナーの雄
創立40周年を迎えたメルセデス専門チューナーのブラバス。
パワフルなエンジンスワップと豪華な内装、他を圧倒するボディメイクを得意とする。人気のGクラスをベースとする900 “ONE OF TEN”や、Sカブリオレがベースの”ROCKET 900 Cabriolet”、さらに現行型ブラバススマートのEV版が初披露された。
『900″ONE OF TEN”』
6.3ℓV12ツインターボを詰め込んだメルセデスベンツGクラス。
従来モデルよりも高出力化しているため、カーボンボンネットも巨大なものに。0-100㎞/h加速は3.9秒、最高速は270㎞/hとGクラスとは思えない数値をマーク。世界最速級のSUVだ。
豪奢な室内の仕立てはブラバスの得意とするところ。デモカーでは白×黒のバイカラーだが自由にコーディネイトが可能だ。ルーフはロールスロイスが採用している星空風のLEDライティングとなる。
引き上げられたパフォーマンスに対応するため、インテークはボンネットごと新設された。吸気容量は従来型よりも圧倒的に増えているとか。
片側6cmワイドになったフェンダーに収まるのは11.0J×23インチのモノブロック”プラチナムエディション”。タイヤは、アドバンスポーツV105。
[ココに注目!]
900HP/1500Nmという恐ろしいまでのパワーを発揮する6.5ℓV12ツインターボユニット。吸気、冷却、排気とすべてを見直している。
『ROCKET 900 Cabrio』
ブラバスの代名詞となったROCKETシリーズの最新作、Sカブリオレ。
6.3ℓV12ツインターボで0-100km/h加速は3.9秒、最高速は350km/hという超過激なスペックを誇り、優雅にも攻撃的にも走れる究極の1台となった。
ホワイトレザーで美しく仕立てられたカブリオレ。インテリアのあらゆるオーダーにも対応してくれるのがブラバスのカスタム流儀。
ONE OF TENと同じエンジンなのでスペックも同様。7速ATは高出力に対応するようにチューニングが施され、LSDも備わる。
[ココに注目!]
超ハイパワーを受け止める21インチの鍛造ホイールは鈍く光るフィニッシュ『シャドーグレー』が実に美しい。サイズはフロント9.0×21、リア10.5×21インチとなる。
[Ultimate E Concept]
EV仕様のスマートをベースに、ブラバスがUltimateチューニングを施したのがコレ。
204hp/350Nmを発揮し、0-100km/h加速はなんと4.5秒、最高速は180km/hとスポーツカー顔負け。22kWhのリチウムイオンバッテリーにより160kmの走行が可能となっている。
ビビッドなイエローと深いブルーのコンビネーションによるインテリアの張り替えが美しい。ポップだがまとまっているのがいかにもブラバスらしい仕立て。
ボディはWideSterのものと共通のため、前後フェンダーは拡大されている。収まるのは7.0×18インチのモノブロックY。
[ココに注目!]
本来エキゾーストエンドが配置される場所には、マフラーカッターを模した3連イルミネーションが備わる。カラーも変化するという遊び心も忘れない。
『BRABUS CLASSIC』
文化としてオールドメルセデスを遺す
すっかりブラバスを支える屋台骨のひとつとなったクラシック部門。徹底した内外装と機関部のレストレーションにより、走行距離は0kmで売却される。
いわば数十年ぶりに甦った新車というわけで、確かに値付けは高額だが引く手あまたのようだ。
いわゆる60〜70年代のタテ目が中心となる。280SLや220SEカブリオレなどが、新車の状態で提供される。往年のメルセデスファンはたまらないだろう。
フレームまですべてバラされて部品のあるものは新品に置き換えられたベンツSL。徹底した緻密なレストレーションにより再び名車が現代の路上に甦ることになる。