GT-Rで400メートルをコントロール
R35でも高度なテクニックは必須
GT-Rマガジンが主催する「R’sミーティング」のサーキットイベントとして開催された『CLUB RH9・ゼロヨン大会』。CLUB RH9とは、全国の有力チューニングショップ33社36店舗が加盟する団体で、『CLUB RH9・ゼロヨン大会』には、その加盟店デモカーに加え一般オーナーのマシンも加わり、R32〜R35までのGT-Rがコンマ数秒の世界を争った。
ゼロヨンは、スタンディングからアクセルオンで400メートルを駆け抜けていくという単純な競技だが、それが簡単ではなくメチャクチャ奥が深く、1000分の1秒の世界で争っている。
そもそもCLUB RH9は、ゼロヨン大ブームの1990年代では「ゼロヨン9秒台を記録できるマシンを製作できる」が加盟できる条件だった。それほど厳しくもあり、長いこと楽しんでいるからこそ、チューニング技術も進化している。もちろん第一はタイムを追い求めるものの、遊びの要素も必要だ。
クルマの性能の進化に加え、ドライバーのテクニックも鍛えていくという、競技と鍛錬がミックスされた大会だからこそ、それぞれドライバーは自分の目標を作って楽しめるのかもしれない。
さて、数ある車両の中から、今回はサブライブの佐分サンのR35にカメラをセットし、インカー動画を撮影。今回の参加ドライバーのなかでも上位に入るタイムである9秒316の世界をお伝えしたい。
ちなみに、今回の大会でもっとも速いタイムを記録したのは、車工房ディサイド・塩川サンドライブのR32GT-Rで8秒328であった。
R35 GT-Rは、2ペダルの4WDだから比較的簡単とされるスタンディングスタートできると思われがち。しかし、1000馬力超のパワーを出しているR35 GT-Rはスタート直後は4輪がスリップしてしまう。
ゼロヨンのスタートは、「ローンチコントロール」をセットして、左足でブレーキを踏みながらアクセルペダルを踏んでエンジンの回転をアップさせる。
クラッチペダルがないので、アクセルべた踏みでスタートできそうだが、スタート直後はアクセルコントロールしてホイールスピンさせないようにする。もちろん、サスペンションや電子制御式クラッチのセッティングは必要だ。ガツンとクラッチがつながるようではタイムは出せない。
さらに同時に走るライバルとスタートのタイミングを測る駆け引きも意外に難しい。
並み居るライバルに負けないためにも。シグナルグリーンでいかにロスなくスタートするか、テクニックが必要だ。
タイヤはM&Hのドラッグタイヤを装備。リヤタイヤは15インチとエアボリュームを稼いでグリップ力を高めるような仕様だ。インテリアでは、ボディ剛性アップにも繋がるロールバーを配置する。
今回カメラを搭載した#8のR35 GT-Rは、タイム的にも上位陣に入る9秒316をマーク。
一緒に走った#1のR35 GT-Rは、ゼロヨンタイムでは上回る9秒223をマークしているが、リアクションタイムを加えると#8の方がウイナーとなる。グリーンランプ点灯でロスなくスタートさせるにはやはりテクニックが必要になるのだ。
[リポート:Auto Messe Web編集部]