太陽光の向きをよく考えて
クルマを撮影に適した場所へ
クルマの置き方ひとつとっても、写真の見映えは激変。実はこれ、「カッコイイ写真を撮りたい」と思っている人には絶対に欠かせないことなんです。
前回は、基本的な「ピント合わせ」について解説しましたが、いざ撮影しようとなった時に、「クルマってどこに置けばいいんだろう……?」って思ったことはありませんか?? そんな疑問を解決できるようなヒントをいくつかご紹介します。先に述べておきますが、これに関しては明確な正解は存在しません。一人一人、撮りたいイメージは違うので、それを表現するにはどうしたらいいのか、というアドバイス程度に気軽にお聞きください。
というわけで、今回は「クルマと太陽の位置関係」について解説。
どの向きから光が当たっているかによって、クルマの見え方は全く異なります。太陽を背にして「順光」で見た場合。クルマのフロントからサイドまで満遍なく光が当たっているので、全体をしっかり見せたい場合にピッタリです。
でも陰影が付かない分、それが悪いとは言いませんが、「ただ撮っただけ」の写真になりがちです。では、どうするのか?
もっとオススメな光の向きについては、後ほど解説しましょう。
光の角度によってクルマの表情はどう変わる!?
【順光】
フロントからサイドまで、均一に光が当たるのが順光。被写体をしっかりと見せたい場合に有効です。ただし、ノッペリとした写真になりがちなので、カッコイイ写真に仕上げるのは難しいでしょう。
【逆光】
撮影者から見て、被写体の向こう側に太陽がある状態。
影の部分が多いので、暗く映しすぎるとクルマが真っ黒につぶれてしまいます。ストロボを使う場合は逆光にして撮るといいかもしれません。
ポイント「さらにカッコいい写真を撮るには!?」
影と光が入り交じったドラマチックな写真を撮りたい人は、サイド光がオススメ。
特に、フロントに光が当たって、サイドに影が落ちている状態がベスト。影がついていることによって、写真にメリハリが付けられるし、被写体に立体感が出てきます。
そして、ストロボをお持ちの上級者のあなた。ストロボ光を最大限に強調できるのは逆光です。ポイントはクルマではなく、背景に露出を合わせること。影になった部分に光を当てると、クルマが背景から浮かび上がるような迫力のある写真が撮れますよ。
【サイド光1】
太陽がクルマの背後から照らしているのが「サイド光1」。
この場合、クルマの側面が明るくなって、フロントが暗くなっています。自然光を前提にした撮影では、あまりおいしい光とは言えません。
【サイド光2】
サイド光1とは逆に太陽の位置が前方に。自然光撮影で、最もオススメするのがコレ。
フロントが明るく、サイドで陰影を出す。ほどよくコントラストの効いた雰囲気ある写真です。
ポイント「背景はなるべくスッキリと」
そして大事なのが、背景の余計な映り込みを極力なくすこと。
ここでいう余計な映り込みとは、撮りたいテーマに合わない物体のことです。今回で言えば、公園にある看板やゴミ箱ですね。特に写真の中に文字が入ると、そちらに注目してしまい、被写体に目がいきません。撮影前にそんなところも確認してみるといいでしょう(写真下左がOK、右は看板やゴミ箱があるのでNG)。
(レポート:VIP STYLE奥)