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道路上の公共物、もし破損させたらいくらかかってしまう!?

公共物の破損は人件費も請求される
数百万という損害賠償も覚悟すべし

クルマで走る以上はいろいろなリスクがつきもの。
クルマ同士ぶつかれば、相手との過失割合に応じて弁償をしなくてはならないのは、誰もが知っている通りだ。それ以外にも、家の壁を壊したりしても同様に弁償しなくてはならない。ちなみに構造物はそこにあるのが本来の姿なので、よほど建て方や置き方がおかしくない限り、過失は100パーセント、こちらにあることになる。
では、ガードレールなどの「公共物」はどうだろうか? 公共物だから、許してくれると思うかもしれないが、じつはキッチリと賠償を求められる。賠償とはもちろん、元に戻すのにかかる費用で、基本的には部品代などと作業費を合わせたものになることが多い。

そこで、気になるのがいくらぐらいになるのかということ。公共物は基本的に入札なので、ひとついくらというのはわからないことがほとんどだが、賠償する保険会社の関係者に聞いてみた。

 

【電柱】

まずは「電柱」から。これは私道だと自分で立てる人もいるし、無線マニアなどは自分だけの電柱を引く人もいるので、価格ははっきりしていて、1本8万円ぐらい。
作業費は10万円からで、場所だけでなく、電柱の上に付いているものによって大きく異なるのだが、これは設置する場合。ぶつけて倒した場合は、古い電柱の撤去費用がかかってくるし、上に付いているトランスなどが壊れればその分も弁償しなければいけない。
さらに周囲が停電した場合は、休業補償もかかってくることも考えられる。ちなみに、知り合いの保険代理店では1本倒して、300万円払った例もあるとのこと。

 

【信号機】

さらに「信号機」はというと、これは変な言い方だが、倒し方、ぶつけ方によって異なるようだ。
トラックで信号そのものをぶつけた破損程度ならば、約30万円ぐらいなのだが、倒してしまえば100万円超え。さらに信号機の横に付いている制御ボックスまで破損すると、トータルで300万から400万円ぐらいになるようだ。

【ガードレール】

事故に巻き込まれやすい公共物といえば、「ガードレール」。じつは、コレも販売されているし、国土交通省のホームページにも設置についての解説があり、価格が掲載されている。
それによると、よく見かける白いガードレールで4500円/mで、パイプタイプだと6000円/mと思ったよりも安い。ただし、これは部品だけの価格(支柱は除く)で別途作業料がかかるし、1mだけきれいにぶつけるということもないので、かなりの費用がかさむのは確実である。

 

【その他】

ほかに「交通標識」は、以前調べたところによると40万から50万円。こちらは、作業費込みとはいえ思ったよりも高額な印象。
また、「ポスト」はといえば、単体で10万円ぐらい。やはり下手に公共物に当たってしまうと高額を請求されることになるのだ。

 

よく調べていくと、部品や構造物もさることながら、作業費が高い。結局はお役所相手に納入されるので、民間のように少しでも安くしようということはないということ。
「どれも高いな」と思うのは、定価かそれ以上の”値付け”だからということは十分に考えられる。

 

飲酒運転など、こちらに重度の過失がなければ、自動車保険でカバーされるが、いまだに1割以上は未加入(無保険)というのが現状。
加入していないのは論外にしろ、対物の補償額についてもよく考えたほうがいいかもしれない。

 

(レポート:近藤曉史)

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