数少ないアウディのネオクラを
「クワトロ」で挑戦する意外性
オーソドックスなダブルフレームグリルがムードを盛り上げている「初代オールロード・クワトロ」。
現在のアウディに採用するシングルフレームグリルを見慣れた目には、じつにシックで落ち着いた造形に映る。しかも、ストリートで冴え渡る野性味を帯びたキャラクターは、今こそ楽しみたい”チョイ古アウディ”の筆頭だ。
オーナーが与えたスパイスは、驚くほど数少ない。ちょっとしたスパイスを与えることで、日常を素敵に演出してくれる相棒になっているのだ。
その内容は、足元を中心に必要最低限。「オールロードが持つアクティブな素性の良さを伸ばしつつ、普段使いもこなせるお洒落なテイストを楽しむ」をテーマにして仕立てている。豪快な力強さを象徴する前後バンパーとフェンダーの塗り分けはあえて活かす作戦。
そこにオールロード誕生時にはなかった”コンケーブデザイン”という新しいトレンドを取り入れたホイールを組み合わせる。こうして生み出されたフォルムは、限りなくノーマル風を装っているが、純正のルックスとは一線を画する洗練された風格を漂わす。この間合が自然で、イジった感が皆無なのがすばらしい。
時代を感じさせない、侠気あふれる堂々とした頼もしさこそが、このクルマの真骨頂。最近流行りのSUVが味わえつつも、これみよがしでないことも見逃せないポイントだ。
ダイナミックに張り出したノーマルフェンダーを大胆に使い切る足元のセットアップ。
ノスタルジックなメッシュデザインながら、大径20インチとコンケーブ形状で現代風味を漂わせ、ハブボルトを隠すセンターロック風カバーがいい味を醸し出す。
フェンダーと同様に純正のカラーリングでリメイクしたフロントバンパーは、さらにスムージングも施してスッキリした形状に仕立てあげる。
リアパートのボトム部を司るバンパー、マフラー、アンダーガードはすべて純正。徹底的なリフレッシュを行って存在感をアピールする。
純正のエアサスをロアリングキットで車高を下げて、なおかつコーディングでの微調整も。
純正フェンダーは、スタイルアップの大敵の白いクスミを排除。新車同然のコンディションを保つ。
クラシカルな雰囲気を活かすべく、前オーナーが施したスモークフィルムは排除。
また、昆虫の触角のような細くて長いノーマルのアンテナから、ショートアンテナへと変更。アンテナはクルマのデザインに関係大だから侮れない。
SPEC
エクステリア→フロントバンパー:スムージング 前後バンパー&フェンダー:塗装 ショートアンテナ
ホイール→ロティフォームRSE(10×20)
タイヤ→ハンコックV12evo(255/30)
足回り→iiDロアリンクキット&コーディング
チューニング→APRコンピュータ
「プロに聞く、ちょい古アウディのオシは?!」
アウディのプロショップ「メイクオーバー」の木内代表のオススメは、340psをマークする4.2リッターのV8・ NAエンジンを載せた”S6(C5型)”。2000年から2004年に生産されて100万円ぐらいから手に入る。
他に、タマ数は少ないが2000年から2002年生産の初代”RS4(B5型)”もオススメとか。385psのV6ツインターボでMTという硬派なスペックが魅力だ。
そして、この初代よりもタマ数が多い2006年から2008年生産の2代目”RS4(B7型)”も刺激に満ちる。4.2リッターのV8・NAで怒涛の420psを発揮。こちらは、ワゴンだけでなくセダンも選べてMTオンリーなのも痛快だ。ただし、価格の目安は400万円前後と高値なのがネック。
取材協力:メイクオーバー TEL045-620-0887
http://www.make-over.jp/