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「カスタムは引き算も重要」と教えてくれる、レクサス最高峰でのシンプル美

名門チームとショップとの出会いにより
理想の「大人シンプル」を具現化

 

「大人シンプル」とは何か。この「レクサスLS460L」を見れば、答えがより明確になってくるだろう。
誰よりも強いシンプルにかける情熱によって完成した、高級車に相応しいスタイル。そのオーナーである西嶋サンが以前乗っていたクルマは、LS460前期の中期仕様。前愛車のLSもシンプルを前面に押し出した仕様だった。
そして現在の愛車は、今年2月に購入したLS460L中期。ホイールベースは違えど、クルマは同じレクサスLS。以前の愛車をそのまま進化させることもできたはずだが、どうしても買い換えなければ気が済まない理由があった。それは「グレード」だ。
「前の460は、スポーツ仕様のバージョンS。シートは黒革で、十分に高級感はあった。でも、『あのチーム』のクルマは最上級グレードが定番。このままでは敵わないと思ったんです」。
今回は装備が充実したバージョンUZ。贅沢なセパレート仕様の4人乗りで、内装色はメローホワイト。そして至れり尽くせりのフルオプション。後期型を狙っていたが、この条件が揃ったクルマが見つからず、後期仕様にする前提で中期モデルを選んだわけだ。
そもそも買い換えのきっかけとなった「あのチーム」とは、ご存じ東北を代表するシンプルの雄、「TFLコンプリート」。住む地域は違えどTFLメンバーとの絆は強く、クルマ作りにおいては尊敬の念を抱いている。
「シンプルなエアロを、本当に細かな加工でさらにシンプルに見せるセンスの良さ。そして常に低いまま走るというカッコ良さ。やっぱり他のシンプル仕様とは、格が違うと思います」。
彼らのクルマに少しでも近付きたい。そこで古くから付き合いがある「ブレーン」岩見サンの紹介で、まずは福岡のプロショップで外装をリメイク。フル後期仕様にして、フロントバンパーは『ブレーン・プレミアムスポーツ』の200系クラウン用をニコイチした。
さらに延長や短縮をはじめ、ミリ単位の加工でよりシンプルに。ホイール、ブレーキ、車高も手を加え、6月のイベントでデビューを果たした。

「短期間でかなりカッコ良く仕上がったと思います。ただ、TFLのようにタイヤを被らせた状態で走るには、エアロが少し大きい感じがしました」。
カスタム通の人が見ても十分に小振りなサイズだが、オーナーとしては納得できない。修正の依頼をしたのはTFLメンバー、佐藤サンが営む岩手のオートメッセだった。
「理想をカタチにするなら、やっぱり最後はシンプルを良く知っている東北の人の力を借りようと決めたんです」。

 

「シンプル」を語る上で街乗りできることも重要視

新たに修正をかけたその内容は、本当に細かい。
まずフロントのリップ部は、プレミアムスポーツが持つ前方向の出幅はそのままに、約3センチ短縮。普通に詰めただけだとサイドステップと辻褄が合わなくなるため、ボトムを内側に絞り込ませた。
「加工する前は迫力がありましたが、低いまま走ることを優先しました」。

サイドは、”がばいCUP”の時点では「ブレーン」を加工して付けていたが、今回は純正をフル加工。こちらは両端を若干延長し、フェンダーとの繋がりを自然に見せるためにラインを修正。そして取って付けた感が出ないように、メッキモール下の辺りを絞り込ませた。
また、リアバンパーは悩んだ結果、社外品ではなくFスポーツ純正を加工装着。
「各メーカーのエアロを見比べましたが、さり気ないディフューザーが付いたFスポーツがカッコ良かった」。
こちらは福岡のショップで下に3センチ延長加工し、ボリュームを創出。オートメッセでは、純正のサイドに合わせて両脇を3.5センチ短縮し、ボリューム感をキープしつつ、ボテッとした印象を解消させた。

細部を煮詰めたことで、TFLメンバーからの評価も変わった。彼らは経験豊富だからこそ、ダメなものは「ダメ!」と、はっきりと言う辛口派。
「佐藤サンは『絶品だね』、藤原クンは『カッコいいですね』と言ってくれました。前のLSではダメ出しばかりでしたが(笑)、認めてくれて本当に嬉しかった」。

エアロを修正するついでに、先に組んでいた「カズサス」を佐藤サンがスペシャルセッティング。以前よりさらに落ちるようになった。
ホイールは、シンプル仕様に似合うチューナー系。選んだのがまた非常に高価で、定価170万円オーバーの「カールソン1/5EVOウルトラライト」。ブレーキも妥協せず、名門のブレンボを奢った。このゴージャスな足元も、大人シンプルへと導く重要なカギとなった。

このLSはイベント仕様ではなく、ホテルやゴルフ場はもちろん、通勤でも活躍。
「普通に街乗りできて、僕より上の世代の人が『何かカッコいいクルマだな』と興味を示してくれる。それが僕が思う、理想のシンプル像です」。

 

後期化により、先進的なデザインのヘッドライトをゲット。
また、バンパー左右の開口の大きさ、上のラインも修正。フォグランプはメッキ枠に惹かれたという「ブレーン」を採用し、後付け感をなくすため、フォグの周りにラインを加えた。
「この仕様には外せない」、オプションのコーナーポールがニクイ。

 

 

「頑張ってもなかなか手が届かない、そのステータス性が魅力です」という高価なカールソン1/5。
ベンツ用をP.C.D.変換して履かせた。ブレンボのキャリパーは渋い黒。表面は切削してアルミの地を出した。

Fスポーツらしさを残しつつ、絶妙な延長&短縮で違いを出したリアバンパー。また、トランクスポイラーもFスポーツを流用した。
後期で一番好きなのは、L字型のラインが入ったテールランプ。光り方が異なる寒冷地仕様をチョイスしている。

 

清潔感が漂うメローホワイトの内装。インテリアパネルはイージーグラフィックを施工中とか。
エアサスのタンクなどは、スペアタイヤハウスに収納した。

 

西嶋 利之サン(B型・会社経営・VIP歴26年)

妻の泰子サンは、いつもイベントについてきてくれる良き理解者。「まだまだ多くのセダンに乗ると思いますが、ずっとシンプルで行くと思う。大人になっても車高短はやめられません」。

LS460L  バージョンUZ(23年式)
●エアロ:(F)ブレーン 200クラウン用プレミアムスポーツ加工(S)純正加工(R)Fスポーツ純正加工(W)Fスポーツ純正 ●フェンダー:インナー加工 ●グリル:後期移植 ●ヘッドライト:後期移植 ●ボディカラー:純正ブラック ●ホイール:カールソン1/5 EVOウルトラライト(F)21inch 9.0J(R)21inch 10.5J ●タイヤ:(F)245/30-21・(R)245/35-21 ●足まわり:カズサス エアサス ●アーム:(F)カズサスショートナックル(R)ナギサオートフルアーム、カズサススタビライザー ●ブレーキ:ブレンボ(F)8pot/395φ(R)6pot/380φ ●マフラー:エイムゲイン ループマフラー ●外装その他:純正コーナーポール ●内装:カズサスメーターインストール

VIP STYLE 2017年10月号 ¥650
交通タイムス社

(レポート:VIPスタイル編集部)

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