軽量なボディと短いオーバーハングが
軽快なフットワークを実現する
走り出してまず感じるのが「軽快」なことだ。もちろん、コンパクトカーのようなヒラヒラしたような動きではないが、クラウンアスリートがシットリとした走りに比べると、マークXはシャープな印象。じつはマークXとクラウンのホイールベースは2850mmと同じ。全長はマークXのほうが125mm短い。
つまり、マークXは前後のオーバーハング(ホイールからボディ前後の端までの距離)がクラウンより短いこともあり、マスが集中していることから走りの軽快さがあるのだ。ちなみに車幅はマークXのほうが5mm狭い。さらに車両重量を調べてみると、マークX250RDSの1520kgに対してクラウンアスリートG-Tは1630kg。その差は110kg。1.5t超のクルマとしても、重量の違いが走りの質感にも出ていたわけだ。
マークXには、走行モード制御が装備されている。具体的には、スポーツ、スノー、エコ、標準の4モードがあり、シフトレバーのそばのスイッチで切り替えられる。
さらにRDSグレードは、ダンパー減衰力を電子制御しているので、スポーツモードにすると引き締まった乗り味になる。
制限速度が60km/h以下の一般道や市街地の走行では、エコモードや標準モードが乗り心地も良く、アクセルの反応が鋭すぎず、ステアリングは軽いなど最適だろう。
エコモードはややアクセルの反応が緩慢になるが、一定の速度で走行できるシーンでは有効だろう。
ここで注目したいのがスポーツモード。以前試乗したクラウンアスリートもそうだったが、ダンパーの減衰力を高まるので少し乗り心地が硬めになるが、ドイツ車のような引き締まった走りが実現できる。
とくに高速道路の山岳区間のようなきついカーブでの安定性はグッとアップ。しかも、高速道路を少し速いペースで走行していると、路面のつなぎ目などの路面からの入力をしっかりといなしてくれるのだ。
意外かもしれないが、逆に標準モードではダンピング不足からかフロアからの伝わってくる振動は大きい。
スポーツモードは、高速道路をハイペースで走行するときステアリングの手応えもありオススメなのだが、シフトアップするタイミングが遅く、高いエンジン回転数をキープするようなセッティングになっている。そのため燃費面では不利になる。昔のトヨタ車のように足まわりだけ独立した設定ができるといいのだが・・・。
トランクルームは特別広いというわけではないが、奥行きもあり使い勝手は良好。しかもリヤシートは40対60の分割可倒式なので、長尺モノを積載することも可能だ。