往年の名車がずらりと並ぶ
オーナーズミーティング
12月10日に静岡県の富士スピードウェイで開催されたトヨタ車の祭典「トヨタGAZOOレーシング・フェスティバル」。サーキット全域がテーマパークのように、来場者も参加できるアトラクションやパーツメーカーのブース、レーシングカーが走るサーキットコースをバスの車内から見ることができるサーキットサファリなど、子供から大人までが楽しめるイベントだった。
その催しの一つとしてオーナーズミーティングというのがあり、新旧さまざまな車種のオーナーズクラブが集結。40代以上なら懐かしい名車が並んでいたのだ。
オーナーズミーティングは、最新のレクサス&トヨタ車から懐かしい旧車までが勢揃い。
その中でも昭和のトヨタ車を代表するTE27型やTE71型のカローラ&スプリンター、アリタリアカラーでランチアストラトス風に仕立てられたAW11型MR2、さらにハンドメイド(下加工は機械設備で行った)で作られていたいすゞ117クーペの第1期モデル、トヨタ・セリカのラリー仕様などが登場した。
TE27型カローラレビン&スプリンタートレノ
1972年に登場した2代目カローラのスポーティモデルとして当時としては珍しい1.6リットルのDOHCエンジン(2T-G型)を搭載。リベット止めのオーバーフェンダーは純正。
下の写真のカローラレビンは、なんと左ハンドルの輸出仕様。カーボン製チンスポイラー(当時の呼称)やテールスポイラーを装着していた(上の写真も同じクルマ)。 こちらはスプリンタートレノ。チンスポイラーを装着。 下の写真はグリルの形状からTE27型スプリンタートレノの後期型と思われる。チンスポイラーにダクトが開けられている。
TE71型カローラGT
1979年に登場した4代目カローラには、セダン、ノッチバック2ドア、3ドアハッチバックとリフトバックの4タイプのボディがラインアップ。1.6リットルDOHCエンジン搭載モデルでレビンの名称を与えられたのは3ドアハッチバックのみで、写真のセダンなどのグレード名はGTだった。
下の写真は前期型でなんとワンオーナー車だ。3代目モデルよりエンジンはインジェクション仕様(それまではキャブ)となり、2T-GEU型となった。
タワーバー以外はほぼオリジナル。 微妙な違いだが、こちらは中期型のカローラGT。サイドストライプが黒とゴールドで、リヤドアには「TWIN CAM」と記されている。前期型は黒と赤のストライプでリヤドアには「DOHC」。
AW11型MR2
1984年に登場したMR2。搭載エンジンはAE86カローラレビン&スプリンタートレノが搭載していた4A-GEU型1.6リットルDOHC(1.5リットルSOHCもあり、後にスーパーチャージャーも追加)。
国産初の市販ミッドシップスポーツカーだった。
1970年代のミッドシップカーといえばランチアストラトス。アリタリアカラーのラリー仕様は、WRCなどで大活躍した。
MR2がそのフォルムに似ていたからか、このクルマのオーナーは写真のようなレプリカを作ったようだ。ワンアームワイパーやリヤのシェード、前後バンパーやテールランプまで本当に良くできている。
この日の注目の一台と言えるだろう。
ST205型セリカGT-FOUR
1993年に登場した6代目セリカは、1994年に4WDモデルのGT-FOURを追加。これが最後のWRCに参戦したセリカとなった。そのレプリカ仕様ともいえるのがこちら。4つの補助灯にマッドフラップを装着。リヤウイングは、WRCホモロゲーションモデルと同じゲタを使いハイウイングタイプに変更されている。
ST165型セリカGT-FOUR
トヨタGAZOOレーシング・フェスティバルには、往年のマシンがパドックに展示されていた。
このセリカGT-FOURは1990年のサファリラリーで優勝した本物のラリーマシン。車高の高さ、カンガルーバー(動物避け)、大きなスポットライトなど、過酷なラリーだったことを物語る。
いすゞ117クーペ
トヨタGAZOOレーシングフェスティバルのオーナーズミーティングのスペースには、トヨタ車以外も集結。今はトラック専業メーカーの「いすゞ」が1968〜1981年まで生産していたエレガントな2ドアクーペ「117クーペ」だ。
デザインは、イタリアのカーデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ。下の写真で一番手前に写っているのが最終型。そのホイールはジウジアーロがデザインした人気作。
下の写真の初期モデルは、いすゞに特徴的な細くて繊細なデザインのピラーなどを作る設備がなく、下加工は機械で行っていたが、そのほとんどがハンドメイドだったという。