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オイルの流速を高める「超低粘度オイル」をペトロナスが発表【東京オートサロン2018】

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流速を高めてエンジンを冷やすという
F1四連覇のテクノロジーを新採用!

近年、F1やスーパーGTでの活躍もあって存在感を高めている、ガソリンやエンジンオイルといった石油化学製品メーカーの「ペトロナス」が、1月12〜14日に千葉県・幕張メッセで開催されている東京オートサロンで超低粘度オイル『シンティアム7000 0W-16』を発表。
モータースポーツで培ったノウハウを投入し、オイルの流速を高められる低粘度のメリットを生かし、新たな熱最適化技術を実現した。ペトロナス

近年、F1(フォーミュラ・ワン)のエンジンは、MGU-K(運動エネルギーを電気に変える運動エネルギー回生装置)、MGU-H(排出ガスを電気エネルギーに変える回生装置)を備えるハイブリッド。ペトロナスがサポートするメルセデス・AMGチームが勝利を続けてきたのはご存じの通りだ。
そのペトロナスがF1チームとの開発を経て、登場したのが新たに発売する低粘度オイル「シンティアム7000 0W-16」だ。

特徴はクールテックと呼ばれる熱最適化技術で、オイルの流速を高め、エンジン内部の過度な熟の吸収・放出性を向上させエンジンパワーを最大限に引き出しながらもエンジン内部の摩耗を減らす独自のテクノロジー。
最新のILSAC(国際潤滑油標準化認証委員会)標準であるGF-5との比較では、このクールテックによって72%もの摩耗度を軽減でき、摩擦抵抗を抑える事に成功。エンジン内部の過度な発熱を抑制し、同時に各摺動部を摩耗から確実に保護できる。ペトロナス

またオイルを150℃という高温の状態にし、100時間テストした結果でもSN規格(米国石油協会:API、アメリカ自動車技術者協会:SAE、アメリカ材料試験協会:ASTM)が定めるエンジオイルの合格基準値を大幅にクリア。
スラッジなどの堆積を抑制し、エンジン内部を常にクリーンに保つ事でオイルの循環性能が長時間維持され、エンジン温度の最適化を可能にする。

オイルの性能テストの温度以上に過酷な環境とは、じつは一般道を走行する市販車だ。
とくにハイブリッドカーのエンジンは、燃費を良くするためにエンジンを始動したり停止したりと、油温が安定しない。その一方で、長距離走行ではエンジンの稼働率が高まるので、従来同様に高温が続く場合もある。
F1のほうが油温は高いが、温度は一定している。ある意味、オイルの性能をその温度域に合わせれば問題ないわけだ。

実際にF1チームとオイルの開発を担った技術責任者エリック・ホルトゥーゼン氏によると、
「F1と市販車の違いは、効率の追求という面では同じです。F1は速さ、市販車は燃費という違いだけ。オイルの耐久性や摩耗性を確保したうえで低粘度を実現したことで、CO2の削減にも貢献できます」と語る。ペトロナス

予定価格は1リットル当たり2500円程度となっており、すでに自動車メーカーやショップ等への納入も決まっている。
F1を席巻したペトロナスのエンジンオイル。チョイ乗りが多く、さらに高速道路を長距離走るというハイブリッドカー・オーナーには、ぜひ注目してもらいたいオイルなのだ。

レポート:佐藤幹郎

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