30年以上前の伝説ディッシュが、
現代版スタイルアップにハマる予感
自動車ファン、ドレスアップ&カスタムファンが大挙して押し寄せる、きらびやかで華やかな「東京オートサロン2018」の会場の一角にひっそりとディスプレイされていた一本のホイール…。
“AIR STAGE”とディスク面に刻印されたその姿は、訳知りの人なら”おっ!”と思わず惹きつけられるシルエットを持つ『SUPER STAR RACING』だった。
そうここはホイールメーカー、「スーパースター」のブースの一角。
この『SUPER STAR RACING』は、当時の姿でディスプレイされていた大変貴重な1本。さすがに存在が古すぎて”自分が勤める前からのホイールで、社内でも知っている人はごくわずか…”というメーカー自身にとってもレアなモデルだそうだ。
名前は『AIR STAGE(エアステージ)』というのだという。4穴、P.C.D.は114.3。16インチのノーマルリムで、カラーはシルバーポリッシュ。組み立てホイールの雄、スーパースター製らしく3ピースホイールを採油する。それ以上の詳細は不明だが、およそ30〜35年前に生産していたホイールである。
鋳抜き文字でロゴが入り、センターディスクの表面は切削され鈍い輝き、さらにセンター部の取り付けホール周辺はショットピーニングによりザラザラとした質感。その隙間からエア抜きのホールが無数に覗くエアロディッシュデザイン。
参考出品としてディスプレイされていたものだが、オートサロン会場での反響は上々だったとか。存在を一切知らない若者から、当時を懐かしむ年配層まで幅広い人気を感じたのだという。特に最近人気の低車高とホイールで魅せる、スタンス系志向のフリークには人気だったそうだ。
実は、「スーパースター」で過去に復活させたホイールには唯一、『シェブロンレーシング』がある。
今回の『エアステージ』も、決してイロモノとして置かれたワケでなく、反響を見てその復活を検討したい…というスーパースターの気持ちの表れ。
当時をリスペクトしたネオ・クラシックというスタイルもすでにジャンルを築いているが、この倉庫から引っ張り出された、当時の空気感まで纏った魅力的なフォルムは旧車好き、車好きのハートに刺さったはずだ。
『エアステージ』が設定サイズや製法を見直し、リバイバルされるかは不明。
いまのホイールにはない無骨さとメカメカしさと独特のオーラがそこにはある。長い眠りから本当の意味で目覚めさせたい。そこにはフリークたちの熱いメッセージが必要なのである。
スーパースター TEL072-975-3600
http://www.superstar-wheel.com/
(撮影&リポート:木村隆之)