当時ものパーツが満載の「Y31シーマ」に「131クラウン」、「10セルシオ」が競演
高級セダンをドレスアップするのがご存じVIPカー。
その創世記である80年代後半〜90年代初頭に活躍したクルマたちが、「大阪オートメッセ2018(2月10日〜12日、大阪府・インテックス大阪)」に集結した。
当日を知る人には懐かしく、知らない若い世代には新しさが感じられる、注目の3台を紹介しよう。
VIPスタイルのパーツブランドとしておなじみ、「Kブレイク」ブースに展示された3台。まず、「ニッサン・シーマ(Y31型)」は、同社代表の大林氏がプライベートで所蔵しているもの。
ガレージ保管されている車両は、塗装もまるで新車のようにピカピカで、旧車によくあるヘッドライトのくすみなども皆無だ。
装着パーツは、すべて’80-’90年代のVIP創世記に人気があったものをフル装備する。
前後バンパーやサイドステップなどエアロはすべて「インパル」製で、フロントリップには「ジャンクションプロデュース」製のインパル用を装着。
ホイールは「O・Z」製18インチ、マフラーはバラムンディを採用。
特に、「セントラル」製のリヤウイングはなかなか手に入らないという超レアものらしく、当時を知る人には垂涎のパーツだ。
そして、「トヨタ・クラウン(131型)」には、同じく当時ブレイクしたジャンクションプロデュース製フルエアロをセット。ベースはV8・4Lエンジン搭載車だが、エアロは3Lエンジン車用なので、多少加工はしているものの、その違和感はまったくなし。「ガルトマイヤー」製の18インチホイールや純正エアサスながら適度にローダウンしたそのフォルムは、さりげない高級感も演出している。
最後の1台は、前後ブリスターフェンダーなどで、インパクト満点のフォルムを実現した「トヨタ・セルシオ(10型)」。こちらは、ほかの2台が「VIP創世記」スタイルなのに対し、その後の「VIP全盛期」に流行したスタイルを取り入れた1台だ。前後バンパーやサイドスタップなどは「Kブレイク」プラチナムで、ワイドフェンダー化に合わせて加工を施して装着。ホイールは、ウェッズの19インチで、フロント10J、リヤ12Jという超ワイドなサイズをセット。これらにより、個性的ながらラグジュアリーな雰囲気も両立したフォルムを実現している。
ちなみに、「Kブレイク」ブースにはほかにも「BEECAS」ブランドのオリジナルエアロを装着した「トヨタ・ハイエース」も展示。こちらのコンセプトは、やはり1990年代前半に流行した「大阪環状族」スタイルがモチーフということだ。大阪の都市高速道路「大阪環状線」を走っていた”走り屋”たちの間で人気だったカスタムを投入している。
オレンジ×ホワイトのボディカラーを身に纏ったボディには、「BEECAS」製フルエアロを装着。特に、新作のフロントリップはスポーティなイメージを演出し、このクルマのコンセプトをより強調することに成功している。
また、爆弾マークのブランドロゴは、大阪環状族をテーマにしたマンガ「ナニハトモアレ」の作者、南勝久氏が手掛けたもの。これら細部にまでこだわった作り込みが、このクルマに独創的な雰囲気を加味しているのだ。
まさに「古きを訪ね、新しきを知る」ことができるこれらクルマたち。「大阪オートメッセ2018」に来場予定がある方は、ぜひ目に触れてみて欲しい。
(撮影レポート:平塚直樹)