大阪オートメッセ2018にて披露された
2インチワイドの空力美ボディ!
「モードパルファム」といえば、ストイックなエアロデザインで定評のあるブランド。中でも『PHANTOM GA-MU(ファントム・ガム)』シリーズは代表の平野氏が本当に作りたいものだけを作るというこだわりのシリーズだ。今回、大阪オートメッセ2018で披露されたホンダ S2000は、生産が終了して随分経つクルマだが、日本はもとよりアメリカでの人気も高い。ましてホンダブランドといえばスポーツ系が大好きなフリークにとっては格好の獲物だ。
デザインは平野代表自身が行なっているが、今作はUSの「chronicles(クロニクルズ)」のJOEY氏を監修として迎えて開発したとのこと。アメリカにおけるホンダのカリスマとタッグを組んでのボディキット開発、果たして?
「実はこのエアロは、アメリカでのタイムアタック用をコンセプトとして開発しています。向こうでのタイムアタックといえば250〜300km/hは当然のように出すのでヤワなエアロでは風圧に負けることも。そんな本気の機能性と空力と真正面から向き合ったボディキット。だから、フロントバンパーにもダクトは設けてあるのですが、タイヤを冷やすのはNG…ということで、ダクトパネルを使って埋めています。その内側にある円形ダクトはブレーキ冷却用。機能性を高めています」。
そして、最大のポイントといえるのがワイドフェンダーの存在。前後ともに2インチワイドになるように設計されたブリスターラインを持つ。これは265/35サイズのタイヤが履けるようにと緻密に計算された機能面からの要請。ただし、最近巷で見かけるビス留めフェンダーは当初から眼中にナシ。
タイムアタックを意識しつつも、街中でも見栄えのいいオシャレで流麗なスタイルを目指しているのだという。
デモカーには、エアダクト装備のボンネット「ファーストモールディング」、リアまわりは「ボルテックス」のGTウイングに「K1」のスワンネックステーをドッキング。足回りは、「エンドレス」の鍛造6ポッドブレーキシステム、SSR製「GTX03」の18インチホイール、さらに「クスコ」のD1ロールバーなど、脇を固める周辺パーツも全て本気仕様だ。
また、透明度の高いキャンディ塗装のような印象のボディカラーは、新型NSXのバレンシアレッドパール。そのベースの上にPPGというガラスコーティング塗装を施すことで、圧倒的な深みを実現させた。
今回の「大阪オートメッセ2018」では、前後バンパーをノーマルボディ用に設定してほしいというリクエストが多かったようだ。しかし、ワイドボディキットとしてのコンセプトを貫き、このボディキットは前後バンパーとワイドフェンダーとの連続したラインで実現させたもの。すなわち、ワイドボディ専用のコンプリートキットでの販売となる見込みだ。気になる価格は、フロントバンパー、ブレーキクーリングベゼル、フロントベントカバー、フロントアンダーフラップ(カーボン)、ハニカムメッシュ、フロントワイドフェンダー、フェンダーダクトフィン(カーボン)、サイドスカート、サイドアンダーフラップ(カーボン)、リアワイドフェンダー、ドアパネル、リアバンパー、リアベントカバー、リアディフューザー(カーボン)のフルセットで675,000円。
早くも、次にはEK9シビック、FD3S・RX-7のワイドフェンダーキットも作りたい…と、思い入れたっぷりの平野代表。エンジンチューンも仕上がった暁には、アメリカでのタイムアタックバトルも当然視野に入れている。
コンセプトは、サーキットでのタイムアタック仕様とはいえ、美しく妖艶な魅力も持ち味。この”PHANTOM GA-MU×S2000″には、そんな二面性が持ち合わされていた。
ブローデザイン
http://www.blowdesign.co.jp/
(撮影レポート:木村隆之)