本物の1/3の投資で、速さは倍以上。
クルマ趣味を存分に楽しむ人に最適な逸品
乗った印象は、どこかの中古車屋でちょっととうが立ったR32型GT-Rに試乗しているのと何ら変わらない。ボディの立て付けにまるで不安はなく、ウィンド周りもビビることなくしっかりしていて、車体の剛性不足など感じない。トルクの塊に乗っかるようなRB26DETTエンジンの加速フィール、そのパワーを受け止める懐の深いシャシー性能はR32型GT-Rのそれで、だんだんとケンメリのカタチに乗っているということを忘れてしまいそうになる。
後方を確認しようと、あるはずのないドアミラーを探し、あわてて視線をフェンダーミラーに移した。
目視で薄いリアウィンドウを見て改めて、「あ、ケンメリに乗っていたんだった」と思い出す。何よりも街行く人や、対向車、追い越されるクルマからの視線がいちいち楽しい。ゆっくり走っているなら「ケンメリGT-Rだ」という、まるで本物に遭遇したような驚きだろうし、高速道路でぶち抜かれた相手なら、「どうしてケンメリがそんなによく走るの?」と驚くに違いない。
本物と間違えて驚かれるよりも、この形が本物ではありえない性能を発揮しているところを見せつける方が楽しいと思った。この現代版ケンメリGT-Rなら、東京へだってどこへだって、快適にかつ愉快に走っていけそうだ。
長年にわたり、旧車をいかに速く、いかに楽しく走らせるかを実戦し続けてきた「ロッキーオート」だからこそなし得た、コペルニクス転回による、恐るべきレプリカ。
197 台しかないとはいえKPGC110が3,000万円以上もする昨今、R32型GT-Rベースが1,166万4,000円〜。FRの基準車ベースなら861万1,840万円(税込み)〜となり、こちらはAT仕様も選べるので、よりイージーに楽しむことも可能だ(完全受注生産)。
それでも決して”安い”とはいえないが、本物の約1/3(NA仕様なら約1/4)の投資で、本物の倍は速いコイツを毎日楽しむというのはアリだと、心底感じる。憧れの旧車を楽しむ趣味の世界を拡げてくれる一台といえよう。
(レポート:GT-Rマガジン編集部)
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ロッキーオート
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