スポーツカー全盛の後発マイナー車ならば、
不人気ゆえ100万で存分に遊べる!
90年代は日本のスポーツカーは、とにかくワクワクできるモデルが多かった。
R32スカイラインをはじめ、S13/14シルビア、70/80スープラ、さらにGTOやRX-7、ランエボ、インプレッサといったターボ車が全盛。もちろんNSXやS2000といったホンダの高回転型NAエンジンも痛快であり、当時の国産スポーツは選択肢がじつに豊富でした。一時はミニバン人気や排ガス規制の影響もあって衰退期を迎えたものの、マツダ・ロードスター、トヨタ86、ホンダS660など、古き良き時代に先祖返りするモデルが復活。
これは素晴らしいことですが、86は300万円前後、軽自動車のS660でさえ200万円と、庶民にとって簡単には手の届きにくい価格帯なのも事実。ましてや、90年代の国産スポーツはアメリカに存在する通称「25年ルール」の関係もあって、つい数年前には買えそうだった個体が、驚きの値段で販売されているのです。これらの高値維持で泣く泣く諦めていた古き良き国産スポーツ。じつは、それ以降に登場した、00年代が狙い目なのです。その頃は、スポーツカー衰退期。当時の先代(90年代)よりも人気が低迷したとはいえ、装備は進化しているのに価格はお手頃だったのです。
そんな逸材を安く買って思いっきり遊んでみてはいかがでしょう。
【シビックタイプR】
走り屋を熱狂させたホンダのホットハッチ、シビック・タイプR。
90年代といえば、大ヒットとなった初代(EK9)ですが、狙い目はあえての2代目(2001〜2005年)です。イギリス生産となったEP3型は、2リッターとなり最高出力は215psを発揮。6速のクロスミッションの採用やボディの剛性も大幅にアップされましたが、当時は3ドアハッチバックの低迷。インパネに設置したシフトノブも不評となり、悲しいくらいに売れませんでした。
よって、中古車価格は初代よりも格安。丁寧に扱われきた個体が多いのも魅力ですよね。
[シビックタイプR(EP3)中古車価格:60万円〜]
【RX-8】
環境を配慮したNAエンジンや観音開きドアなど、よくわからないコンセプトのためにイマイチ不作となったRX-8。そもそも、ピュアスポーツだったRX-7の存在感が強すぎたのも要因かと思われますが、86やBRZよりもハイパワー(250ps/前期6MT)が100万円以下で購入できるのは魅力です。
見た目がカッコいいのかは別として、新車では買えないロータリーエンジンや、オトナ4人がかろうじて乗れるパッケージは、AT車ならば50万円以下で買えちゃいます。
[RX-8 中古車価格:15万円〜]
【MR-S】
名車、MR-2の後継として1999年にデビュー。
MR-2ほどのピーキーな動きはなく、「どこでも踏んでいける」気持ちよく走れるライトウェイトスポーツとして、走りっぷりは高く評価されましたが人気はイマイチ。それもそのはず、前後オーバーハングを切り詰めたスポーツカーらしからぬスタイリング、140psという非力なエンジン(車重は軽いが)など、MR-2の後釜として見ればいささか物足りない点がありました。
しかし、国産量産車では初のセミAT(MT車も設定あり)を搭載するなど意欲的なモデルだっただけに、惜しい一台。そんな超低価格のミッドシップが買えるのは日本くらいかもしれません。
[MR-S 中古車価格:20万円〜]
【ロードスター(NB)】
歴代の中でも2代目のNBロードスターは、大ヒットした初代に変わって生まれたモデル。
快適&安全装備の充実や、剛性アップや足回りのリファインなど、初代をベースに大幅に改良されましたが、リトラクラブルを廃止したNBの人気はなぜかイマイチでした。
こちらも初代人気のため、中古車相場も逆転現象となっているので安く買えます。
[ロードスター(NB)中古車価格:20万円〜]
もちろん、購入後はメンテナンスなど維持費はかかるものの、ベース価格がお手頃なゆえに思い切って遊べるのも00年代スポーツの魅力。
また、25年ルールの影響でなかには相場が上昇していくことも考えられるはず。もしかすると、いまの底値が狙い目なのかもしれませんよ。
(レポート:ちんサブ)