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【コラム】魅惑の100万円の輸入中古車ライフについて考える

『美魔車』とのおつきあいは、
ドロ沼なのか、桃源郷なのか!?

世界的にカネ余りのためか、クラシックカーの価格が高騰している。SNSの普及によって、カーマニアの情報もあまねくグローバルに行き渡るようになった。日本国内の国産・輸入を問わない「海外から見たお値打ちモデル」が国外へ流失し、結果として国内中古車市場では、一部のモデルが高騰しているのだ。

わかりやすい代表格が、国産ならばR32~R34型の日産スカイラインGT-R。輸入車ならば993型までの、いわゆる空冷エンジンのポルシェ911だ。
映画「ワイルドスピード」がきっかけで注目され、またレースシーンを背景にしたヒストリーを持つ”GT-R”は、海外からの引き合いも高く、美品ならば1000万円以上のタグがつくことも珍しくない。結果として国内に残った個体の価格も上昇中。そして、空冷ポルシェも内外価格差があり、海外から見て割安だったこと、日本のオーナーが車両をしっかりと維持管理している傾向が高いことなどから高騰している。
たとえばレーシングドライバー&モータージャーナリストの中谷明彦氏は、20年以上前に964型の”ターボリミテッド”を当時1000万円ほどで購入。一時は500万円まで下落したが、現在は1500万円超の相場を見聞きし驚いているという。

「そんなウン千万のクルマの話、興味ないね」という声が聞こえてきそうだが、一方で相場価格が底値圏にある魅惑の「美魔車」があるのを忘れてはいけない。
世の新車がエコだ、自動運転だ、電気自動車だと、その進化や将来性高いモデルのオンパレード。往年の自動車ファンが注目するような国産車は、ホンダS660、スイフトスポーツ、86など一部にとどまる。新車なら軽自動車でもコミコミ200万円オーバーだし、本格的なスポーツカーともなれば軽く400万円以上する。

そんな現実を知るにつけ気になってくるのが、底値圏にある中古車。とくに注目したいのが輸入車だ。
年代でいえば00~10年あたりのモデル。最新モデルの先代または先々代モデルが「お値打ち」なのである。新車購入時の保証も、いわゆるインポーター認定中古にも認定されない個体が狙い目。下は数万円から上は100万円も出せば、新車時に数百万~1000万円オーバーの高級モデルが買えてしまう。もちろん、経年どおりにヤレたり、しっかりと機関系をメンテナンスしなければならない個体もある。しかし、少しでも市場に目を向ければ、「あの高級車がこの価格で買えるのか」と改めて気がつくはず。それなりの規模の中古車店や専門店に並ぶ個体は、見た目に美しく手入れされているものが多い。
フルチェンジのサイクルが国産車よりも長く、そもそも内外装など色あせしにくいデザインも輸入車の特徴のひとつだ。

とはいえ、なかなか低年式の輸入中古車を購入するにも勇気がいるのも当然のこと。”輸入車バージン”ならなおさらである。

「どこで買う? 壊れるでしょ? 保証ないし修理代かかるでしょ?」と、心配すればキリがない。
でも、敵を知り己を知れば百戦危うからず、ということわざもあるように、知れば知るほど、相場や車種ごとの見極めができるようになってくる。投資と同じように銘柄を研究し、相場を見続けることによって、「目利き」になっていくことで、そのような不安を減らすことは十分可能だと思う。

どのように手軽に自分のカーライフを楽しみたいのか、「美魔車」とおつきあいしたいのか。そんな冷静な目線で相場を見てみよう。憧れだった、あのスポーツサルーンも、あのレアなホットハッチも十分手が届くところにある。
100万円以下の、輸入の、中古車ライフは、ドロ沼か、それともクルマ好きの桃源郷か。
それは投資におけるフィナンシャル・プランナーたる、その道のプロに指南してもらいつつ、クルマの特性や相場をしっかり念頭におくかどうか、にかかっている。

 

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