人の手間も惜しまない
デザインがカタチになる瞬間へ
【04_マシニング】
プレスされたホイールはディスク面が円盤状になっており、全体を一皮剥くNC加工を行なう。
NC加工とは、鍛造プレスされたホイールをマシニングセンターする手前まで専用加工機で切削加工すること。表面をキレイにならし、ディスクのラウンドなど大まかな形状はこの時点で加工されていくことになる。
次にディスク面を切削加工してホイール形状を作り出すマシニングセンターへ。
プログラミング通りに削り出してホイール形状に導いていく。マシンは数種類のドリルを使い分け、美しいディスクデザインを作り出すわけだが、1本あたりに掛かる時間は平均2時間ほど。
マシニングセンターでデザインが掘り出されたあとは、職人が1本ずつバリ取りを実施。さらに、すべてのホイールを振れ検査することで、安定した品質を確保する。
【05_塗装】
他のブースとは隔離したクリーンな塗装ブース内では”粉体焼付け塗装”で下地が作られ、巨大なブース内で塗装から焼き付けが行なわれる。
通常は、この工程を3回(3コート/3ベイク) 繰り返し、美しい塗装面を作り出していく。
【06_表面加工】
塗装が終わったホイールの多くは”ダイヤカット”などの表面加工を実施。いわゆるブラポリと呼ばれるフィニッシュやブラッシュドなど、オーダーによって様々な加工方法が存在する(写真は2ピース構造のディスク部)。
【07_組み立て】
2ピースや3ピース構造の場合、ディスクとリムを接合する組み立て作業が行なわれる。ひとつひとつオーダ ー表を確認しながらスタッフの手により組み付けられていくのだ。
製品開発後は強度テストを実施
工場内にはテスト用の建屋があり、取材時も様々なホイールの強度テストが行なわれていた。
テスト品には特別な処理が施され、クラックが入ると色で識別できる仕組み。安全性確保のため「JWL規格」よりも厳しい独自の強度試験が課せられている。主力モデルでJWLの基準値の120%基準を設定。さらに、「90°衝撃+半径方向負荷耐久試験」など独自の試験項目もプラスしている。
【08_検品・梱包・出荷】
そして、社内テストに合格した熟練スタッフによって検品が行なわれ、合格したホイールが梱包されていく。高価な鍛造ホイールだからこそ、厳しい検査体制は必要不可欠。
最後に梱包されたホイールは一箇所に集められ、待ち望んでいるユーザー(ショップ)の元へ出荷されていくのである。
6061材よりも強度が高く、耐食性も高めたオリジナル鍛造材 『UDM』。他にもマグネシウム鍛造といった次世代の鍛造モデルも生産している。
このように日本が誇る鍛造技術のレベルは、またひとつ上の世界で競われているのだった。
取材協力:TAN-EI-SYA WHEEL SUPPLY
http://www.tws-forged.com/