コスト度外視の高性能音響パーツを投入!
Map Fanとの連動でナビ性能もアップ
「パイオニア」が『カロッツェリア・サイバーナビ』の2018年モデルを4月18日に発表した。
スマートフォン・アプリ『Map Fan コネクト」との連動機能を備えることで、車外で検索した目的地やルートを『サイバーナビ』でも使えるようになっている。
そして大注目なのが『サイバーナビ』に新たに加わった『Xシリーズ(写真)』だ。カロッツェリアファンならご存じのハイエンドカーオーディオユニット『カロッツェリアX』で培った音響技術を『サイバーナビ』に投入したモデルと言っても過言ではない真のAVナビゲーションだ。
1990年にGPS式カーナビゲーションを世に送り出した「パイオニア」は、1997年に『サイバーナビ』シリーズを発表。以後、フルモデルチェンジ&年次改良を繰り返し進化を続けている。
昨年発表した2017年モデルは、ネイティブハイレゾ再生に対応するなど音響性能をアップ。
2018年モデルは、スマホアプリ『Map Fanコネクト』で検索した場所やルートを『サイバーナビ』で見ることができるようになった。
似たような機能を持ったナビゲーションシステムはあるが、スマホ内のデータをBluetoothで読み込ませるという煩わしさがあった。
ところが『サイバーナビ』は、スマホアプリ『Map Fanコネクト』で登録した目的地(検索地)やルートをナビゲーションの通信機能を使って自動的に読み込む。
テレビなどで紹介された観光地などをスマホで検索し、登録しておけばサイバーナビに連動できるわけだ。
「クルマに乗ってから検索すればいいじゃん」と思うかもしれないが、意外と気になった場所などは忘れがち。また、目的地までのルートを事前に探索しておけば、所要時間から出発時刻を決めることも可能だ。
もちろん、そのルートはサイバーナビ上で呼び出せるので、再度目的地までのルート探索をする手間も必要もなくなるわけだ。
コストより音響性能を追求したXシリーズ
さて、注目の『サイバーナビXシリーズ』は、コストより音響性能を高めることに注力して開発されたモデルだ。もともと「パイオニア」にはハイエンドカーオーディオ『カロッツェリアX』で培った技術がある。それを、今回の『サイバーナビXシリーズAVIC-CZ902XS(7V型VGAモニターAVナビゲーション)』には惜しみなく投入されているといってもいいだろう。
具体的には、ナビ機能部とオーディオ部の基板には振動などを伝えない銅メッキパーツを駆使してノイズを徹底的にコントロール。冷却ファン回りやシャーシ、固定用のビスに至るまで銅製となっているのだ。まさに「高音質」という次元を超越した「感動の領域」を目指した作り込みが行われている。
また、電源ケーブルや入出力端子には金メッキを施し、ケーブルはOFC(無酸素銅)を採用。オペアンプにはAVナビゲーションとしては初めて新日本無線の「MUSESシリーズ」変換回路を投入し、低歪率、高スルーレートなどを実現。そのほかパイオニア製電解コンデンサー、バーブラウン製D/Aコンバーターなど、まさに従来のAVナビゲーションの常識を越える超高級オーディオ並みのスペックを揃えている。
もちろんハイレゾ音源のネイティブ再生は可能となっている。
「コストは気にせずに音質を追求してほしい」というパイオニア蒲生代表取締役社長(下の写真)の指示があったからこそ世に送り出すことができた逸品ともいえるだろう。
短時間ではあったが、その実力を確かめるためデモカーで試聴してみた。
ひと言、キレが良いサウンド。
余韻が必要なところは豊かなサウンドを奏で、低音は深く沈み込むがダブ付かず必要なときは音がスパッとスピーカーが制御されていると感じる。
『サイバーナビXシリーズAVIC-CZ902XS』の価格は24万8000円(税別)。通常のサイバーナビの実勢価格が15万円前後なので、約10万円高い。しかし、10年以上前のサイバーナビが約30万円だったことを考えれば、これほどのハイスペックモデルが25万円弱という価格設定はお買い得と思ってしまう。
なお、5月23日10時よりパイオニア80周年記念モデルとして、この『サイバーナビXシリーズAVIC-CZ902XS-80』が80台限定でホームページで受注を開始。
シリアルナンバープレートのほか、レコチョク利用権、レコチョクプリペイドカード、データ通信専用モジュールなどがセットされているが、本体価格の24万8000円(税別)のみというお得な設定になっている。
すでにオーディオ性能を特化させたナビとして評価されていたダイアトーン『サウンドナビ』が存在するが、『サイバーナビXシリーズAVIC-CZ902XS』は、その牙城を切り崩すことは間違いない。まさにパイオニアの逆襲が今始まった。