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「タカタのリコール」未改修車は5月より車検をパスできない!社外ステアリング交換車も対象に

タカタ、エアバッグ、リコール、車検、疑問、2018年

未だ対象エアバッグの回収率は88%
車検時までにリコール改修は必須!

各種報道で取り上げられている「タカタ製エアバッグのリコール改修」について、最新の情報をお伝えしよう。まずは、念のためにリコールの内容から。
問題になっているのは日本の輸送用機器メーカー、タカタ株式会社(2017年6月に経営破綻。事業をジョイソン・セーフティー・システムズ・ジャパン株式会社に譲渡済み)が製造した運転席、及び助手席用エアバッグだ。
対象のエアバッグはガス発生装置である「インフレータ」に不具合があり、事故等でエアバッグが作動した際、異常破裂して金属片が飛散する不具合が世界で数件発生。この不具合による死者は世界中で少なくとも18人におよぶという。
これを受けて日本でも平成21年に国土交通省からリコールの指示が出され、以降、継続して該当車のリコール未回収車には車検時に警告文の交付を行なうなど、改修促進の取り組みは続けられていた。

しかし、平成30年2月末時点での回収率は88.1%。未だに改修を受けていない車両が残っている。
対象車なのにリコール改修を受けていないのには色々な理由があると思うが、今後も乗り続けたいと思っているのならば、のんびりと構えない方がいいタイミングとなってきた。
というのが、平成29年12月に国土交通省からの「エアバッグのリコール未改修車は車検を通さない措置を開始する」という通達。
つまり、車検に通る状態に整備されていたとしても「エアバッグのリコールが未改修」だと車検は不合格になるということ。いまの車検有効期間を過ぎると公道走行ができなくなるわけだ。
措置が適用されるのは「平成30年5月」より。つまり、数日ほどしか猶予がないケースもあるはず。

では、どうしたらいいかというと方法はひとつ。リコール改修を最寄りの系列ディーラーなどで受けることだが、どちらにせよ部品の在庫によっては急に作業ができないこともあるので、持ち込む前には電話などで連絡を入れておきたい。
なお、作業時間はトヨタの場合だと1時間20分〜3時間と記載。この改修が終わると「改善措置済証」という書類が交付されることになる(平成30年4月1日以降)。車検時には、必要書類のほかに「改善措置済証」を提出すればOKだ。

 

エアバッグのない社外品に交換されていても
リコール改修を受けないと車検はパスできない

さて、ここで問題なのがリコール対象車で「ステアリング交換を行なって、純正エアバッグがない」というケース。
所有者としては「問題のエアバッグは外してあるからリコールは関係ない」と思うだろうが、対象車である以上、車検時は「改善措置済証」は必要なのでこれがないと車検は通らない。

よって、ステアリング交換によりエアバッグが取り外されていたとしても、ディーラーや整備工場にクルマを持ち込んで「問題のエアバッグは付いていませんよ」という意味で”ハンドル付け替え、改修せず”などと記載した「改善措置済証」を交付してもらうことが必須となるのだ。

改修作業は工場のスケジュールや定休日、リコール用部品の在庫状況に左右されるので、ある程度のゆとりをもって予約しておきたい。

なお、自分のクルマがリコール対象かどうか不明な場合は、自動車メーカーの窓口に問い合わせるか、「日本自動車整備振興会連合会・車両状況リコール確認」にアクセス。ここにメーカー名と車体番号を入力すると調べることが可能。
あと、希にだが事故などで大修理をしたクルマだと車体番号を検査官が打ち込む「職権打刻」になっていることも。この場合は、車検証の備考欄に元の車体番号が記載されているのでそちらを入力すること。

(レポート:深田昌之)

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