メーカーごとの「個性」が引き立つ、
最新のトラック技術に迫る
5月10日から12日までの期間、パシフィコ横浜で開催されている「ジャパントラックショー2018」から会場のレポートをお届けする。
まずはトラックメーカーのブース紹介から。今回のショーに出展しているのは三菱ふそう、いすゞ自動車、日野自動車、UDトラック・バス、そしてイタリアからIVECO S.p.A(イベコ)だ。これらメーカーの展示車から気になった車両をピックアップしてみた。
【三菱ふそう】
「三菱ふそう」は、未来を明るく照らすということをテーマとした展示を行なっている。
展示車は新世代のミッションであるシフトパイロットを搭載した大型トラック『スーパーグレート』のほかに、世界初の量産電気トラックの『e CANTER』だ。
『スーパーグレート』は運転席の乗り込み体験可能なので、会場に行ったらエアクッションが効いた座り心地のいいシートを体感して欲しい。
そして、注目が電気トラックの『e CANTER』。この車両は名前のとおりフルEV駆動を採用していて、排気ガスのないゼロエミッションだけでなく、音がしないゼロノイズも達成している。こちらも運転席の乗り込み体験が可能。
モーター最高出力は135kW、モーター最大トルクは390N・m。航続距離は100km以上で充電に掛かる時間は急速充電で1.5時間。通常充電(交流200V)では11時間となっている。
すでに宅配便業者などで使用されているという。
【IVECO S.p.A】
環境保護への制度が進んでいるEU圏内には「ブルーコリドー計画」というものが展開されている。
これは400kmごとにLNG(液化天然ガス)ステーション、150kmごとにCNG(天然ガス)ステーションを配備するというもので、すでに具現化されているものだという。
そこでイタリアのトラックメーカー「イベコ」はLNG、CNG仕様のトラックやバンを展示。日本ではなかなか見ることのできないメーカーで、デザインも欧州車っぽさが出ていてカッコいい。ちなみに「イベコ」は20年以上に渡り、天然ガス車の開発を進めていた企業。フェラーリやマセラティなども所属する”フィアットインダストリー”の一員だ。
下の写真は新型の『ストリアNP400』と言うモデル。環境性能に優れた8.7ℓのLNG仕様エンジンを搭載し、最高走行距離1500kmを誇る。ミッションは、天然ガス車で初採用のユーロトロニック12速オートマチックを採用した。
こちらは『デイリーMP』というバン。
エンジンは3ℓのCNGでパワーは136HP。ミッションは8速AT。全長は5040mm、5560mm、5960mm、7130mm、7500mmの5種類が用意されている。トラックとしての使い方だけでなくキャンピングカーやモーターホームのベースにも適しているようだ。
【日野自動車】
次は日野自動車の『プロファイア』だ。最近の大型トラックは、ドライバーの疲労軽減を重視した作りになっている。テストドライバーをしていたという説明員に伺ったところ、『プロファイア』においても長距離テスト後の疲労度がかなり軽減されているのだという。
この疲労度軽減のために「プロシフト」というセミAT的なミッションを搭載。操作は2ペダルのみでも行えるのだが、あえてクラッチを残した。
MTに乗っている人ならわかると思うが、駐車時、ホンの少し動かしたいときはアクセル操作より半クラッチでそろ~と動かすほうがやりやすかったり、雪道の発進もアクセルを踏まずに半クラッチで動きだしたほうがスリップしにくいなど、クラッチを使えることでより繊細なドライビングが可能に。
『プロファイア』の開発陣は、そこに大きな価値を感じているので2ペダルではなくクラッチペダルを残しているとのこと。
他に、いすゞ自動車ブースではフルラインナップを展示。こちらも全モデル乗り込みOKとなっている。
同じくUDトラック・バスも幅広い車種を展示していた。
(撮影&レポート:深田昌之)