トラック専用シートから超大型洗車機まで
フェチの気になるパーツ&アイテムを紹介
「ジャパントラックショー2018」にて、気になるアイテムや車両の紹介はついにラスト。今回は、プロドライバーにオススメしたい新作アイテムをクローズアップしてみた。
スポーツやドレスアップのジャンルでおなじみの「ブリッド」がブース出展。
メインで展示していたのは、トラックドライバーのために作りあげたという”トラック専用シート”の『ZAOU(ザオウ)』だ。
「ブリッド」には、トヨタのハイエースなどにマッチさせた『DIGOⅢ LIGHT』というモデルを手掛け、これまでは同モデルをトラックに流用するケースが多かった。しかし、もともと座面が低く、足を前に投げ出す乗車スタイルに合わせたシート形状。ペダルを踏み降ろすスタイルのトラックでは、体型によってシートのマッチング評価が分かれることになっていた。
ちなみに編集スタッフが「佐川急便」のトラックにブリッドシートが装着されているのを見かけおり、これを「佐川急便」に問い合わせたところ、4月からドライバーの負担軽減と美化運動の一環で『ZAOU』と『DIGOⅢ LIGHT』を装着したトラックを走らせているとのことだった。
そこで『ZAOU』では座面のフラット化や、ポジションに合わせた座面の長さの最適化。さらに乗り降りの際にジャマになる座面のサイドサポートを廃止した。
アームレストは左右に取り付け可能。トラックはステアリング径が大きいため、ハンドルを握ったまま自然に腕を預けられる長さにしている。
また、社外のリクライニング式スポーツシートはダイヤル式が多かったが、『ZAOU』は純正シートと同じくレバー操作タイプとなっており扱いやすさも配慮されていた。
超極太タイヤを展示した「日本ミシュランタイヤ」
タイヤメーカーは「日本ミシュランタイヤ」のみの出展。ミシュランブルーの「スカニア」ヘッドと新作タイヤの展示を行なった。
大型車のダブルタイヤをシングルにするためのタイヤ。車重の軽量化による積載量の向上や廃タイヤ削減による環境負荷軽減などの効果を謳っていた。
実際に履かせた状態でも展示。じつに頼もしくカッコいいという印象だった。
新幹線の車輪メーカーが作るアルミホイール
「新日鐵住金」といえば、国内最大手の鉄鋼メーカーで、新幹線の車輪も製造している。そんなメーカーがトラック・バス用に製造、販売したのが「タブライト」というアルミ製の鍛造ホイールだ。
材料の調達、製造、加工をすべて国内で行なう純国産品。軽くて強いので耐久寿命が延びるだけでなく、大きく軽量化できるぶん、積載量による負担を軽減することもできるようだ。
そして上の写真は「新日鐵住金」が製造する永久磁石を使ったリターダ。
フットブレーキとは別系統のブレーキで、磁石に電気を流すとフレミングの法則によってエンジンの回転(ペラシャフトの回転方向)とは逆の回転を作り出して減速させる仕組みとのこと。
こちらは別のアルミホイールメーカー。日本には「新日鐵住金」と、ここ「ALCOA」しかトラック&バス用のアルミホイールは存在しない。
ここからはジャンル不問でバンバン見せます!
「スタンレー」のブースで見かけた、荷台などに付けるLEDワークランプ(12V/24Vともに対応)。
丸型と角型があり、ともに自社製の高輝度LEDを6個配置。色はホワイトで、発光タイプはワイドとスポットを用意する。
塩分を含む凍結防止剤を撒く降雪地域や海沿いなどではクルマの下回りがサビやすい。そこでサビを防ぐために防錆塗料を塗るわけだが、塗膜の特性上、塗布後は艶がなくなってしまう。
「イチネンケミカル」が発売する『塩害ガード』という塗料シリーズには、艶が出るタイプも設定。フレームをきれいに見せたいトラック乗りにオススメだ。
屋外で見かけたのが「ヤマテ工業」のメッキ施工展示。
バフやアルマイト、メッキ加工を自社ですべて行なえるということで、再メッキ処理はもちろん、エンジンカバーなどの樹脂製品もメッキを掛けることができるという。ドレスアップ&デコトラにも使えそうな感じだ。
地対空ミサイル発射台……ではなく、「リトラス」という中古トラックの販売、架装などを行なう企業のブースにあった”土砂禁”ダンプ(産廃など専用)。40立米という容量はほかにないサイズとのこと。
ちなみにこれは販売車。1台いかがですか?
タンクローリーの展示も。「なにが見どころ?」と思って近づくと新型配管がキモだった。
ローリー内の燃料をおろす路面は必ずしも真っ平らというわけではなく、勾配があるとタンクや配管内の燃料が抜けきらないことがある。そこで配管自体が上下し、なお且つ緩いV字にすることで勾配があっても燃料を抜けやすくしているという。
もはや説明不要、とにかく長いキャリアカーである。長すぎるので展示場所も壁沿いに置かれ、計10台の乗用車を乗せていた。
日産「NV200」ベースの工作車は、室内の作業スペースを見るとなんかワクワクする。
リアハッチを開けるとある工具箱を内向きにし、室内を趣味部屋にしたい感じ。秘密基地とも言いましょうか、身近で夢が膨らむ1台。
バイク業者さんが出品していたリフト。荷台ごと横に降りるので積み降ろしが非常に楽になるというもの。
大型バイクの積載も従来とは比べものにならないほど簡単になり、作業時間も短縮されるという。
SUPER GTマシンやラリーレイド用トラックなどのモータースポーツシーンでも使われる「VIEWTEC」のカメラ。映りも素晴らしく耐久性も高そうだったが、残念ながら乗用車用の設定はなし。業務用のハイスペック品なのでお値段も少々高めな感じ。
工具、機械メーカー「イヤサカ」が展示したものは、トラックやバス用の洗車機。下に立っている人と比べるとその大きさがわかるはずだ。
展示内容のスケールが半端なしだった「ジャパントラックショー2018」。2020年も開催されると言うことだ。
(撮影&レポート:深田昌之)