LS460、Q45、LEXUS LCも!
名門が作り上げるアメリカンなVIP事情
VIPカーを作るために必要な技術となる、板金、電装などの加工はもちろん、足回りのスペシャリストとして「TディメンドUSA」としても活躍。オレンジカウンティの頼れる職人、Sam Hagenが率いるショップが「セントラルパイン」だ。
そんなアメリカの職人が作り上げた日本車のVIPカスタムを2回に渡って紹介。今回は、インフィニティとレクサスを軸とした8台をお見せしましょう。
フロント18度、リア21度の鬼キャン仕様
【1999y INFINITI Q45】
道路環境が悪いアメリカでは、日本のように車高調で極低を楽しむにはリスキー。
しかし、”ネットで見た鬼キャンのシーマを見たのがVIPにハマるきっかけ”と話すのは、「セントラルパイン/TディメンドUSA」の代表を務めるSamだ。その後様々な日本人とコンタクトを取り、VIPの真髄を習得。自らショップを構えるまでになった。
”日本から輸入して右ハンドルのシーマを購入。今年は、入手したリアルJDM車に現在の愛車のパーツを移植し、ボディ加工とオールペンも予定している。6年も費やしたカスタムも年数なんて関係なし、というわけだ。
バーガンディ&ホワイトをベースに選び、ダイヤモンドステッチのレザーとシーマのロゴを入れたオリジナルの内装。どこか和風なテイストが好感を持てる。
また、テールランプやエアロなどワンオフも数多く投入。鬼のキャンバーを描く足元には、日本のホイールブランド「SSR Professor TF1」を履く。
フェイスチェンジでリアルなG50プレジに
【1996y INFINITI Q45】
”プレジデントって超クール”と話してくれたオーナー、Russell。
「Normandy Manlapas」というカーショップで、プレジデントのフロントグリルを装着したインフィニティQ45に対面し、購入を決意した。この日本的縦格子のグリルは、彼にとってはマストアイテム。入手後は、フロントバンパーやホイールなどの足まわり、インテリアを自分好みに変更して、約1年をかけてこのスタイルを完成させた。エアロは、Mode Parfumeの『雅夢フロントバンパー』。ホイールは、ジャンクションプロデュースの『スカラ』を履かせるなど、そのイメージは和のVIP。
サンディエゴで開催された「AUTO FASHION」によるVIP FESTIVALでは、見事にアワードを獲得。アメリカでのVIPカルチャーはレクサス勢が人気を誇るが、インフィニティにこだわって正統派な日本スタイルを守り続ける心意気が、北米で認められたわけだ。
王道VIPスタイルに、USテイストを注入
【2001y INFINITI Q45】
同じく、無類のシーマ好きなAlex。
エクステリアは、エイムゲインの『ユーロエディション』でまとめ、各所にさり気なくダクトを投入。エアロの塗り分けやチタンカラーのマフラーも与えて、違和感のないVIPスタイルを構築している。ブラック×レッドのシートカバーや、足まわりを車高調とアームで固めているのも、まさに日本的。とはいえ、鮮やかなウインドウフィルムが良いアクセントになっていることも分かる。パールボディに配された、吸い込まれるようなブルー。イカツく見せたくなりがちな日本ではダークカラーの採用が一般的だが、このビビットな配色は新鮮。アメリカ、特に西海岸ならではの、お洒落なカラーセンスを見せつけられた。
匠によるワンオフ加工は現地でも称賛の嵐
【2007 LEXUS LS460】
フロント、サイド、リアの「Kブレイク」の『ハイパーゼロ』だけでも充分な迫力。アメリカでもこの和製エアロに憧れる人は多いが、前後フェンダーをワイド加工したことで、ワンランク上のVIPへと昇華させていた。
ワイドボディ加工を担当したのは、現地で人気のボディショップ「Buddha Concept」。現地の有名車の加工を数多く手掛けており、違和感のない仕上がりに納得できる。ちなみに、アメリカではワンオフのワイドボディ加工はポピュラーではないそうだ。なお、オーナーのTommyは、装着ホイール「Infinitewerks」のスタッフでもある。
日本的ボディスタイルとアメ鍛ホイールとのフィッティングこそ、日本人が想像するUS VIPスタイルの本流と言えるだろう。