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【工場見学】創業1931年「FUJITSUBO」の安全&安心を込めたモノ作り・スポーツマフラー編

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職人の技と機械をフルに駆使し、
システマチックに進む製作現場

マフラーが出荷されるまでには様々な工程を踏んでおり、どの作業も欠かすことのできない重要なもの。各部署には専門のプロフェッショナルがおり、今回取材した裾野工場では、事務方も含め約80名が勤務している。
製品開発の核となる開発部門は、実車ベースでのマッチング取りが基本。最適なレイアウトやデザイン、クリアランスなどを確認してプロトタイプを製作する。そして、開発室に隣接したシャシダイに載せてパワーチェックを行なうなど、フジツボの求める威力、効果が出るかを確認したのち、本設計となるCAD室へ回される(ここで目標とする結果が得られない場合は、試作をやり直すだけでなく、製品化を見送ることもある)。藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学

このCAD室では、目視では分からない細かいデータ取りを、専用機を使って実施。そこで集約した情報をCADデータに起こして、量産部門に振り分けていく。
実製作を担う量産部門では、パイプの曲げ、切断加工や組み立て加工、溶接といった様々なセクションがあり、そのすべてを経て製品化。裾野工場では完成品として月に2500本以上を量産するだけのポテンシャルが優にあるという。
そんな製作現場では、専用マシンに頼る作業も多々あるとはいえ、溶接など、職人のハンドメイドによる工程も、製品クオリティを維持するうえで重要なウエイトを占める。機械工程だけでは決して再現できない、高品位なモノ作りが維持される現場には、やはり人の手の感覚、経験が重要だと、強く再認識させてくれる。

 

【01.開発部】

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学人気や販売台数などを鑑みて決定した開発車両は、開発室へ。配管、デザイン等を実車あわせで試作し、シャーシダイナモに載せて効果をテストする。

 

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試作に必要となるパイプやガスケット、テールが複数用意されており、様々な組み合わせを試しマッチングを吟味。過去に前期で開発したことのあるクルマで後期を作る場合は、前期用製品を仮組みして様子を見るなど、対象車によって段取りが変わる。

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ボディとの干渉回避や配管の変更といった対応ができるよう、開発室にも溶接機や裁断機を常備。その場でスタッフが修正を行なう。

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次にプロトタイプを車両装着したうえで、社内規定に則したクリアランスがとれているかを確認。マフラーは熱膨張で前後に10mmほど伸縮することがあるため、その誤差も考慮するという。

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学そして、レイアウトを決める“治具(ジグ)”と呼ばれる型を収納するための、立体駐車場のようなケースを完備。開発室にあるのは一部で1500種類以上もあるそうだ。

 

【02.CAD室】

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学プロトタイプは分解した状態で、別室のCAD室にて細かいデータ取りを行なう。専用の三次元測定器を使い、レーザーでカットする位置の採寸や、パイプ曲げの角度等を詳細にデータ化。

 

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学アーム先端に付いた針のようなポイントを操作して、対象物を立体化するためのX・Y・Zの座標点を数値化。これも製品精度を左右する重要な工程だ。

 

さきほどの測定数値をもとにCADデータ化。上写真の左が初期段階で、右が手を加えより現物に近い状態としたもの。ウェブ等にあるイラストは、これを利用する。

 

【03.パイプ加工】

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学CADデータを基に、筒状のステンレスパイプを加工。メインパイプや吊り下げ部のハンガーなど、用途に応じた太さや長さになるよう、専用機械を駆使し量産していく。

 

専門業者から購入したステンレスパイプは、太さ、長さともに複数種あり、用途により利用目的が違うために長さの調整が必要。そこで、NCカッターと呼ぶ旋盤機を使って調整する。

 

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学パイプの曲げ加工もここで実施。ステンレスは気温によって素材の性質が変わるため、夏場と冬場でマシンのセッティングを変えて誤差を微調整と、熟練の職人でしかなしえない作業が続く。

 

【04.シリアル刻印】

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学パイプ加工後は加工油をキレイに洗浄。その後、部品を管理するため分割ごとにシリアルナンバーを刻印する。

組み立ての工程に回す前に、該当するパーツがどの時期の、どの車種のモノであるかが分かるよう、刻印器でシリアルナンバーを打刻。仕様変更時期などもこのナンバーで管理している。

 

【05.サイレンサー組み立て】

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学複数のパーツで構成されるサイレンサーは、予めカットしてある状態で購入した150種類以上あるステンレス板を選別して組み立て。

 

まずはオーバル状に丸めていく作業。ステンレス板を専用のローラー台に載せ、1枚ずつ丸くカールさせていく。ちなみに、表面の保護用ブルーフィルムは、傷を防ぐため梱包直前まで剥がさないという。

 

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ローリングさせただけでは完全な筒状にならないため、溶接が必要。ローリングしたステンレスを前後にスライドする専用機に固定し、レーザーで端と端を寸分違わずつなぐ。

 

【06.レーザーカット加工】

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学パイプが枝分かれする部分など、パイプどうしの接続部となる部分は、CAD室で採寸したデータを元にレーザーでカット。データ通りの誤差なく自動裁断する。

 

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学レーザー機が持つ高いカット精度を活かし、後の溶接作業時などでのパイピングの微妙な狂いをなくすだけでなく、設計通りの排気路を確保する。

 

【07.最終組み立て&仕上げ】

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学製作したパイプやサイレンサーが集まる最終セクションで、パーツ同士を組み付け。溶棒を使ってつなぐTIG溶接は、その道に精通した、熟練の職人が手作業で行なう。

検品直前の最終組み付けは全作業の集大成であり、もっとも神経を使うパート。ガス漏れが起きぬようフランジを研磨したり、点付けの接続部をキレイに溶接するなどを得て、ついに製品が完成する。

 

【08.完成品検査】

仕上がりを細部まで確認する検品で、もっとも大切な作業がリークテスト。独自に開発した特殊な装置を使って、マフラー内に空気を充填。エア(ガス)漏れの有無を確認する。

 

【09.梱包&発送】

藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学数々の厳しい検査に合格したマフラーは、ガスケットやボルトなどの付属品とともに梱包ブースへ。精肉のようにレールに吊るして行なうのは、作業性を高めるため。

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最後に保護用ブルーフィルムを剥がして、配送用の段ボールヘ。白い袋のようなモノは、住宅用断熱材などでも使われる荷崩れを防ぐ発泡剤。

 

こうして完成したFUJITSUBOのマフラーは、ユーザーの元へ旅立っていくのだ。


創業87年を迎えた老舗がこだわる”メイド・イン・ジャパン”。その進化は決して止むことなく、我々に「マフラー交換の醍醐味」を提供し続けてくれるだろう。

 

取材協力:FUJITSUBO
藤壺技研工業、FUJITSUBO、フジツボ、マフラー、新規制、JQR、工場、加速騒音、工場見学今回取材でお邪魔したのは、富士山がそびえる裾野市に構える1万坪の工場。
1997年から稼働する総合工場で、以前横浜にあった工場もこちらに集約し生産体制の効率化を図るなど、フジツボの開発・生産・物流の中枢的役割を果たす

https://www.fujitsubo.co.jp/

 

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