今だけしか味わえない貴重な経験、
無理してでも装着したいパーツがあった
まさか、こんな若いヤツが乗っているとは……、といった他人のリアクションを見てほくそ笑むオーナー。そんなことも、まさに今だけしか味わえないとっておきの経験だ。無理がきくうちに好きなクルマでスタイルアップを楽しむことは貴重な財産。
だからこそ、若きオーナーは1000万円に近い輸入車をカスタマイズしていく。
「V8の大排気量NAエンジンに乗ってみたかったんです。それもクーペってことが絶対条件で」。
”若いうちに乗ってこそ価値がある”という思いから、購入。車両のローン、それに保険やガソリン代を合わせると毎月給料の半分以上が消えていく。カスタム代は支払済みで、欲しいパーツがあれば、その都度工面する。
「それでも、クルマのせいで仲間との付き合いは疎かにしたくないので、誘われればいつでも出向いていけるヘソクリは用意しています(笑)」。
とはいえ仲間はクルマ関係ばかりで、スタイルアップの情報交換やカスタムの相談に勤しんでいる。つまり、この交際費も突き詰めればクルマにまつわる費用というわけだ。
オーナーは、アウディS5以外にも購入を検討した候補車があった。クルマ選びの条件を照らし合わせれば想像のつく、E92型BMW M3とメルセデスベンツ C63AMGクーペだ。どれもパワフルで個性的だから悩んだことだろうと尋ねると、意外なほどアッサリと決断したという。
なぜならば、どうしても履きたかったホイールを履けるのが、S5だけだったからだ。
ホイール『ロハナRF1』の最大サイズをM3とC63に履かすことは不可能。さらに2台の候補車よりもS5の方が若干リーズナブルだったことも、決定を早めたことに貢献したと教えてくれた。
街中で浮いてしまうことなく、お洒落に溶け込めるように、派手にならないようなメイクがモットー。シンプルに仕立てれば仕立てるほど、大好きなホイールが際立つことを想定しての作戦だ。その狙いどおり、逆反りの迫力に満ちた立体感を上手く反映させて、突出したインパクトを獲得。しかもフロントも同サイズなので、見応え満点だ。
そして、足回りは落ち幅が足りなかったので「BCレーシング」の車高調に変更。メーカーにてダンパーケースの短縮加工とバネレートを変更したそうだ。また、「アクラポビッチ」のマフラーも出しゃばらないテールエンドが、じつにスマートである。
他に、外装では”S”ならではの格子グリルにメリハリをつけるべく、ナンバーサポートをカーボンフィルムでラッピング。
「ASシュポルト」のリップスポイラーは、質感の高い作り込みでフロントパートの好アクセントになっている。また、イエローに変更したフォグランプで程よくクラシカルなムードを作り出した。
「まさか若いのが乗っているとは思われないギャップも楽しみのひとつ」と2年前の21歳で、すでにこのスタイルを楽しんでいたオーナー。
じつに羨ましく思うが、クルマ離れが進むなかでの高級車のスタイルアップ。無理してでも欲しい車を手に入れたい、そんな若者が少しでも増えてくれることを望みたい。
SPEC
エクステリア
ASシュポルト・フロントカーボンリップスポイラー/イエロー・フォグランプ/ナンバーサポート・ラッピング
フットワーク
ロハナRF1(11×20+28)
BCレーシング車高調カスタムオーダー
チューニング
アクラポビッチ・マフラー/パノラマクラフトオリジナル・フロントパイプSHOP:パノラマクラフト TEL0438-80-9225
http://www.panoramacraft.com
(リポート:オートファッションimp編集部)