タフに見せる芸の細かな演出で
“キュートな軽”がマッド&スパルタンに!
いま、自動車カスタムにおいてリフトアップが人気だ。
ベース車は箱バンや軽トラといった軽自動車を中心に、SUVでも”ちょいアゲ”で見せるユーザーが増えてきた。しかし、ここに紹介するスズキ・ラパンは盲点。全高が低いから、どちらかと言えばローダウンが似合う車種をリフトアップしてみると、意外にも似合うではないか。
このアゲ車オーナーは大のクルマ好き。
「ラパンを車高アップすれば面白そう」と考えたが、リフトアップ用の足まわりが皆無だったため、流用が効きそうなスズキ車の純正部品を使うことに。エブリイやワゴンRといった様々な足まわりを試した結果、バランスが最もキレイだったのがKeiの純正スプリングだったそうだ。
スズキのKeiと言えばクロスオーバーSUV系なので、バネの長さもバッチリ。ショックアブソーバも「KYB」のKei用を加工装着し、外径が少し大きいタイヤを履かせて約2インチのリフトアップを実現した。しかも、バネ自体は純正なので乗り心地が良く、どこにでも行けて快適だそうだ。
そして、この足まわりに相応しい、外装のドレスアップにも注目。
イメージはアメリカンSUVの定番、ジープ・ラングラー。前後バンパーとサイドシルをマットブラックで塗ったり、ボンネットフックやウインチなどの小ワザを効かせて雰囲気に近づけた。バンパーはリフトアップにマッチするデザインが見つからなかったが、フロントはハマーをイメージして作られた「リアルスピード」を選択。
リアバンパーは大胆にも純正を半分以上カット。タイヤのトレッドを見せることで、車高アップ感をアピールする。
他にも「タフレック」のルーフラックや、バイザーをマットブラックで塗ってシルバーのビスに変更するなど、タフに見せる工夫も抜かりなし。
足元は、『パンドラ・デザートテックBR-9』のホイール。希少な13インチのブロックタイヤは「ダンロップ」で、タイヤのはみ出し対策として9mm幅のフェンダーを追加した。インナーはカット&叩き上げでタイヤの干渉を防ぐ。
ちなみに、ショックアブソーバはABSセンサーとブレーキホースの取り付け位置を変え、装着に成功したそうだ。
細部には遊びゴコロのあるニクい演出も忍ばせている
そして、”クロスオーバー”のエンブレムは、フレアクロスオーバー用の社外品。
LEDをスキなく敷き詰めたテールランプのメッキ枠は純正オプションを使ったり、マフラーカッターはメルセデス・ベンツAMGタイプを使用するなど、遊びゴコロのあるニクい演出も忍ばせた。
デビューから15年以上が経った21系ラパン。
この一台を眺めていると、また新たなドレスアップの可能性が見えてきたような気がする。
取材協力:ファニードライブ