マンソリー、テックアート、ブラバス……
“魅せる”ための仕掛けが満載だった
チューナーの持つ技術のすべてを注ぎ込んだコンプリートカーという作品には、それぞれの個性がエレガントに、スポーティに、そして時として過激に表現される。欧州では、エクステリアだけでなくインテリアも作り込んで始めてチューナーとして認められる傾向にある。
常にオーナーが目にして、手で触れるからこそ、インテリアはチューナーにとってエクステリア以上に見せ所である。ここでは世界的に人気の高い欧州チューナーたちが創り上げた至宝のコンプリートから、特に素晴らしいインテリアメイクが施された超高級車をピックアップ。ビリオネアたちを満足させるために、素材、デザイン、仕立てと、すべてにおいて考え尽くされた、他にはない空間を見ていこう。
【MANSORY Bentley Bentayga】
スポーティ&エレガントなレザーとカーボンの競演
ブルーとホワイトのバイカラーとしつつ、前席と後席でパターンを入れ替えるというコーディネイトが面白い。キルティング調のステッチやブルーカーボンの色調、印象的に使われる各部の差し色など、インテリアメイクの参考になりそうな部分が盛り沢山だ。
一分の隙もなく変更されている徹底ぶりは、さすがは「マンソリー」といったところ。
前席のシートバックから色を入れ替えることで、後席は視界も含めてホワイト優位の空間となっている。配色を逆転させるという思い切った手法だ。
【MANSORY Rolls Royce Phantom Bushukan Edition】
最上級の空間を最高級の素材で生み出す
“仏手柑”という珍しい柑橘系果実の名前が付けられたロールス・ロイス ファントム。
クリーム調のカラーは、その果実の色調から。優しい色合いはインテリアでも統一されており、細部に至るまで最上級のレザーで徹底した張り替えを実施。石目調のパネルやモノグラムがあしらわれたパネルなど、ハイエンドな世界が広がる。
【MANSORY Bugatti Vivere Diamond Edition by Moti】
大理石調カーボンが生む独特の空間
「マンソリー」が得意とするカーボン加工だが、こちらのブガッティ・ヴェイロンでは大理石調のテクスチャをもったカーボンパネルを各部に採用。文字通り、大理石のようなマーブルカラーが他にはない雰囲気を醸し出す。上質なホワイトレザーとの相性も素晴らしい。
【TECHART GTstreetR】
オープンモデルこそ室内で魅せる
ポルシェの名チューナー、「テックアート」は内装の作り込みの見事さで有名。他ブランドのインテリアコンバージョンも手掛けているほどだ。
ポルシェGTストリートRは”911″をベースにしたコンプリートカーだが、カブリオレではイエローをキーカラーに大胆なラインをデザイン。スポーティであり高級感もある、「テックアート」らしい仕上がり。
機械式メーターのパネルはいつまで残るのか。このコンプリートではイエローに変更され、モデル名が添えられた。
【TECHART GrandGT】
差し色を意識的に取り入れる
新型のポルシェ・パナメーラをベースにしたコンプリート、グランドGT。
室内もフルレザーによるコンバージョンが行なわれており、ビジネスライクな純正イメージは払拭されていた。上質なレザーとアルカンターラ、そしてオレンジをキーカラーに使って走りのイメージをプラス。
高品位なカーボンも「テックアート」の得意とするところ。アルミのシリアルプレートも誇らしげだ。
【BRABUS 900 ONE OF TEN】
お値段8800万円、その室内は!?
10台限定で発売されたAMG G65ベースのコンプリート。ロールス・ロイスのようなスタールーフに、モンディアルブラック&バニラのファインレザーによる張り替えが施される。
また、独立型を採用したリアシートにも注目。センターコンソールにはリアシートやエアコンの角度を調節するコントローラーが埋め込まれる。ラゲッジルーム側面にはレザーによる収納を設置。
【BRABUS BUSINESS PLUS】
エグゼクティブのための超快適移動空間
メルセデスベンツのVクラスをベースにしたビジネス・プラス。エグゼクティブが移動するのにもってこいの1台は、オプション次第でいかようにも作り込めるのが”ブラバス・ビジネス”だ。
リアは対面四座でテーブルや、統合されたインフォテイメントシステムを備えており、インターネットなどの接続環境も整う。
オットマン付きなのでリラックスして移動も可能。キャンピングカーとはまったく違う、高級感ある室内空間が広がる。
(リポート:オートファッションimp編集部)