トミカプレミアムの人気2トップは SUBARU車!!
大人の鑑賞にも堪えうる質感を目指しつつ、手頃な価格で購入できるのが嬉しい『トミカプレミアム』。
エアロやカラーリングなど、“見る人が見ればわかる”仕様になっているのもポイントで、1980〜1990年代のスポーツカーが中心だ。
今回は、『トミカプレミアム』で人気の高いSUBARU車を紹介。ご案内は、株式会社タカラトミー・ベーシック事業部トミカ企画部の遠藤勇希さん(以下遠藤さん)。
【トミカプレミアムNO.14・インプレッサ22B STiバージョン】
“大人向けのトミカ”として開発されたのが、2015年に登場した『トミカプレミアム』だ。現在26車種をラインアップするが、そのなかで1、2位を争う人気を誇るのが、SUBARUの2台である。その1台がインプレッサ22B STiバージョンだ。
「じつは商品化に際しては物議がありました。昔から”歴代GT-Rは間違いなく人気があるので、優先すべき”という風潮が強く、社内でも”22Bは地味でマニアックなのでは?”という意見がありました。
しかし私は”このクルマがどれだけ凄い人気か、ファンが待っているかは、デビューさせれば必ずわかる!!”と説得しました」(遠藤さん)。
入社以来「トミカ」ひと筋の遠藤さんだが、GC8が現役のときから”インプレッサWRXを出してほしい”というファンからの要望はあったものの”もっと子どもたちが喜ぶクルマを先に出すべきだろう”という意見があり、実現できなかったという。そんな、当時のリクエストに応えられなかったという想いが、この『トミカプレミアム』に込められているのだ。
GC8のなかでも、22B STiバージョンはモデル化されたものが少なく”ほかのメーカーが後から出せないくらい、細部まで徹底的にこだわろう”と考えたというエクステリアは、特徴的なブリスターフェンダーを忠実に再現。
ダクト/グリルの塗装やエンブレム、そしてツライチにセットされたタイヤ&ホイール、シートの塗り分けなど、ディテールにも抜かりはない。また特徴的なアイテムであるリヤウイングは、そのフォルムを再現するために別パーツになっており、また子どもが触っても大丈夫なように、柔軟性のある素材で作られている。
「精密に作ろうと思えばいくらでもできますが、ただ飾るだけではなく、触っても大丈夫、走らせても大丈夫という「トミカ」の精神は、しっかりと残してあります」(遠藤さん)。
そんな遠藤さんのこだわりは”昔、欲しかったけど買えなかった”というスバリストからの共感。また “青くて羽根が大きくて、タイヤが大きくて低いクルマが好き”という、22Bの存在を知らない子どもたちからも人気を集めた結果、同時期に発売されたモデルを大きく上まわる販売台数を記録した。
特徴的なリアウイングも再現。またエンブレムの文字は肉眼では見えないほど細かいが、しっかり描かれている。
インテリアも手抜きなし。シートのカラーリングなども実車に合わせて再現されている。
直販サイト「タカラトミーモール」オリジナルで、実際にはなかったブラックも用意。シートのカラーも違う。
もう1台は『WRX STI NBRチャレンジ』だ。
【トミカプレミアムNo.4 WRX STI NBR CHALLENGE】
「『トミカプレミアム』としてレーシングカーのレクサスRC Fを商品化していましたが、GTウイングやカーボンの表現など、もっとチャレンジしてみようと。チャレンジといえば『STI NBRチャレンジ』と一緒に挑んでみたい!! という感じでスタートしました」(遠藤さん)。
通常の「トミカ」は企画から発売まで約10カ月かかるそうだが、NBRチャレンジのシェイクダウンは3月。しかし”1年後に発売したのでは遅い。ファンの記憶に残っているタイミングで売りたい”ということから、通常より2カ月ほど前倒しのスケジュールで開発が進められたそうだ。
「WRX STI NBRチャレンジは、『トミカプレミアム』のなかでも最高のクオリティと自負しています。乗用車のラインアップで初の900円(税抜)ですが、正直、バーゲンプライスで、通常より100円高いだけの価値は十分にあります。また本来の品番はNo.5だったのですが、ニュル24時間に合わせてNo.24にしたのも、こだわりのひとつですね」(遠藤さん)。
こちらも発売以来、各所で品切れが起きるほどとなり、現在、『トミカプレミアム』で一番人気だという。
「SUBARUファンは目が肥えているので納得してもらうために手は抜けません。ここまでクオリティを上げられたのはSTIさんの協力も大きかったです」と遠藤さん。今後もSUBARU車のトミカ/トミカプレミアムの発売に期待したい!
NBRチャレンジの出来はトミカプレミアム史上最高!!
カーボンパーツはプリントではなく彫刻で再現。フロントフェンダーの立体的な表現もこだわりのポイントだ。
ボンネットのダクト部は、従来なら塗装で処理していたが、質感の違いを表現するために構造を工夫している。
ドアのウインドウやタイヤのホワイトレターも、レーシングカーらしさを出すのに欠かせない表現だ。
トランクから伸びるGTウイングは、長いトミカの歴史のなかで初めてチャレンジしたという、剥き出しのステーを採用。リアフェンダー後方にあるダクトの表現にもこだわり。
WRX STIはトミカで発売されていたが、金型は新規で製作。ディテールの再現に、新たな手法も採り入れられた。
メーカーから設計図がもらえるわけではないため、写真を元に設計図を作成。「トミカ」に最適なスタイルへ仕上げる。
(リポート:スバルマガジン編集部)