この記事をまとめると
■スバル3〜5代目レガシィの要整備箇所
■ビルシュタインダンパーの寿命に注意!
■BM/BR型は比較的壊れにくくなった
3~5代目レガシィのメンテナンスを
スペシャルショップに聞く
低年式&過走行、10年落ち、そして高年式のレガシィと、それぞれ車両によって異なるメンテナンスのポイント。そこで、3代目〜5代目のレガシィについて、創業63年の老舗スバル店でありスペシャリストでもある「中津スバル販売」に解説をお願いした。
信頼性は年々高まる一方で難しさが増す部分もある
メンテナンス面において、世代が新しくなるごとに大きな向上を遂げているのはエンジンの油脂類の漏れ対策だ。3代目モデルまでのEJ型エンジンは、定期的にオイル漏れを直すのが当たり前となっていたが、4代目以降のモデルに積まれるEJ型エンジン、及びFB型エンジンはガスケットの質やパッキンの工夫によりオイル漏れのリスクが激減した。
その一方で、たとえばGT系に備わるビルシュタインダンパーは、4代目モデルでは劣化すると固まって動きが渋くなったり、あるいは動かなくなるなど、2〜3代目モデルではなかった不思議な症状が見られるようになった。さらに、4代目モデルのリア用ビルシュタインダンパーはオーバーホールができなくなるなど、メンテナンス面においては後退してしまったと思える部分がないわけではない。
また、3代目モデルは車重が重いことで知られるが、実際に鉄素材が多く使われており、その分、骨格部などの大きなパーツの耐久性は高いといえるが、リアサスは初めてマルチリンク化されたなど全体的に部品点数が多くなっているため、ブッシュ類など消耗品の数も多くなっていることを覚えておきたい。
4代目モデルは大幅な軽量化や排気系の等長化、パワーウインドウ機構の改善など、品質や性能向上のための工夫が細部にわたってかなり複雑に凝らされており、メンテをする上でも一部に難しさが見られる。
過走行車が多いBH/BE型は回転軸系、ゴム&樹脂パーツは積極的な予防整備が必要
O2センサーは10万km未満でも劣化
O2センサー(A/Fセンサーとも呼ばれる)は早ければ10万km未満で寿命を迎える。エンジンのチェックランプの点灯で判明することも多い。6気筒は2箇所あるのでパーツ代も2倍となる。
避けられないラジエターの劣化
レガシィに限らず’90年代までのモデルは15年/15万kmあたりで寿命が尽きやすい。3ℓやターボの高出力/高圧なエンジンではとくに注意。タンクのアッパー部分が弱い。ホース類も同時に確認したい。
6気筒のVテンショナーは10万km未満で
6気筒エンジンではパワステのVベルトテンショナーに注意したい。早ければ10万km未満で要交換となることもある。劣化が進んで寿命を迎えるとロックして動かなくなるか、外れてしまうこともあるという。
BH世代のガスケットは消耗が早い
この世代までのEJエンジンはターボ/NA/6気筒に関係なくヘッドまわりのガスケットの劣化によりオイルが漏れやすい。早ければ7〜8万kmで漏れ出すので、オイルのにじみを発見したら早めに対処したい。
15万km超えで注意すべきハブベアリング
ジャッキアップした際に手で触ってわかるほどのガタ、または異音で消耗したことがわかるが、異音だけの場合はハブ以外からの異音である可能性が高く、経験豊かな人でないと判断するのが難しい面も。