実用的な車高アップでローダウンの悩みを解消!
日常の足やアウトドアにも使える”アゲスタイル”
自動車カスタムの基本といえるのがローダウン。フェンダーのアーチ部分とタイヤとのクリアランスを減らして、ドッシリとした肢体を描くことはいうまでもなくカッコよくなるわけで、大半の車種ジャンルでキーワードとなっている。
逆に車高を上げるカスタムの手法はどうか。かつてはハイラックスやパジェロといったRVブームの頃にブレイク。ローダウンにはない”泥臭さ”は、一部の限られたクルマにしか似合わなかったワケなのだが、この「アゲスタイル(車高アップ)」が再燃している。さらに現代では車種ジャンルも拡大し、SUVやハイエースにくわえ、この波が軽自動車まで到来しているのだ。
軽自動車専門のカスタム誌「Kスタイル」の編集長、杉本サンによれば「車高を低くした”シャコタン”は日常の足としては使いづらく、セカンドカーが必要になることも。そんなクルマ&カスタム好きのオーナーが、もう1台の足として注目しているのが軽自動車。遊びの手法として、リーズナブルな予算でローダウンとは逆の”アゲスタイル”を楽しむ人が増えてきています」。
また、ブームになった背景には昨今のアウトドア人気もあるのだという。キャンプ場までの山道を難なくこなせる走破性の高さもシャコタンではもはや不可能。
この日本独自のベース車とカスタムとの共演は異国の地、香港でも浸透し始めているそうだ。
さらに杉本さんはこう語る。
「アゲスタイルは仕事への影響も少なく、その中心はエブリイやハイゼットといった箱バンとなっています。商用イメージが払拭でき、オシャレに乗れるうえ、ユルい感じで遊べるのも魅力なのではないでしょうか。そして、見た目も然り。周囲の目を気にすることもなく、幅広い人にウケがいいのもポイントですね」。
聞けば、軽自動車のアゲスタイルには「10cm以上の”激アゲ”」と「3〜4cmアップの”チョイアゲ”」にわかれるそうだ。最近は車高アップ用の用品も増えているようで、後者ならばスプリングだけで実現可能。車検に対する不安もなく、構造変更も不要だという。あとはホイールとタイヤのチョイスで、イージーかつ様々な見せ方が楽しめそうである。
そして、近年はプロショップが手がけたコンプリートカー販売も増えているようで、実用性を持たせたベース車を選べばメインカーとしてもツカえそう。
肩肘張らずに遊べるカスタムとしても注目したいところだ。
(取材協力:Kスタイル編集部/写真:AUTO STYLE “アゲ”スタイル Number02)
(レポート:ちんサブ)