KLCが手がけたエブリィとハイゼットは
スプリングを軸とした簡単セットアップ
SUVじゃないとリフトアップは似合わない、という固定概念はすでになくなっており、いまや箱バンにも車高をアップする”上げスタイル”がブームになっている。
しかし、どちらかといえば軽自動車の箱バンは商用車なイメージであり、カスタムシーンでは脇役という印象。そこで、「KLC」が作ったスズキ・エブリイとダイハツ・ハイゼット カーゴの出番だ。手頃な予算でクールに生まれ変わった、日本を代表する”働く軽バン”は主役に躍り出ることだって可能なのである。
ドレスアップでは主流とは言えなかったエブリイとハイゼット。だが、リフトアップが浸透するにつれて、これら箱バンの存在感はどんどん増している。
理由は色々考えられるが、リフトアップという手法が、実用性も損なわずに楽しめるというのが大きいように感じる。箱バンは広いスペースに利点を感じ、仕事やレジャーに使う人も多い。”車高短(シャコタン)”だと、行ける場所が限られるなどの不都合な点があったのは事実。そこで諦めていたクルマ好きたちが、リフトアップブームと共に気付く。
「これなら、自分たちでも出来るのではないか」と。
走行性を損ねるどころか、むしろアウトドアなどでは好都合。しかもこれまでなかったスタイルなので注目度も高く、そこまで多額な資金を投入しなくとも、少ない手数で雰囲気をガラリと変えることが可能だ。
【KLC OffBeat×DA17W/V EVERY】
かつてのランクルを彷彿とさせるクラシカルな装い
従来のリフトアップカーに多かった、ハードでワイルドなスタイリングではなく、ノスタルジックでオシャレな雰囲気が勝る。オフ系のテイストを残しつつ、ライトな感覚で楽しむという心意気が見て取れる。
タイヤが当たらないように極力薄く作製したフロントバンパーは、過剰にゴツゴツさせることなく、シンプルな面持ちに。ラジエーター周りを隠すためには、スキットプレートは必須だったが、これもあえて主張せずに、可能な限りコンパクトに設計した。
今回はここを黒塗装で沈ませたが、逆にあえて塗り分けて、タフなスタイルに振るのもアリ。シンプルで癖のないエアロなだけに、色の塗り分けや、ホイール、タイヤのチョイスなどによって、様々な見せ方を楽しめそうである。今回は、赤茶系ツートンにシンプルなブランドロゴステッカーで、アダルトに演出した。
そして、インテリアも「KLC」のアイテムで彩る。デニム素材そのものを使うと、色移りなどの問題が生じるため、あえて”デニム調”の生地を使ったのがポイント。シートカバーの他、ステアリングカバー、ダッシュマットもラインアップしている。
Specifications | |
フロントバンパースポイラー | 5万9400円 |
スキッドプレート | 3万240円 |
リフトアップスプリング・轟 | 3万7800円 |
キャンバーボルト | 5400円 |
ラテラルロッド | 1万6200円 |
ホイール KLC スパルタン(FR5.0J×15・inset45) | 2万4840円 |
タイヤ TOYO R/T OPEN COUNTRY(FR165/60-15inch) |
【KLC × 321/331V HIJET CARGO】
ハイゼットには懐かしくも新しい、旧車風アプローチ
オリジナルの上げスプリング『轟』は、純正ショックのストローク内で約35mmのリフトアップを実現する。このままの状態で車検対応なのも嬉しいポイント。セカンドカーや仕事用に使っているという人も多い車種なだけに、乗り心地を損ねずに楽しめる”ちょい上げ”の需要はかなり高いようだ。
ちなみに、こちらのコンセプトは”ちょっとやんちゃな旧車風”。
「後期型になってからイカツい感じになったので、こういうのもありかな、と。うちとしてはデモカーとしてハチマキも入れて(笑)、わかりやすく提案してみました」。
他にもホイールは「ドゥオール」のフェニーチェRX2をセット。ネオクラシカルなデザインと、ゴールドポリッシュのカラーリングが、コンセプトにベストマッチしていた。
かつて改造車を楽しんだワルたちには懐かしく、当時を知らない若者には逆に新鮮に映るであろう。このハイゼットには、そんな上げ系の新たなアプローチが込められていた。
Specifications | |
リフトアップスプリング・轟 | 3万7800円 |
キャンバーボルト | 5400円 |
ホイール ドゥオール・フェニーチェRX2(FR5.0J×15・inset45) | 2万2680円 |
タイヤ TOYO R/T OPEN COUNTRY(FR165/60-15) |
取材協力:ケーエルシー TEL0439-88-0450
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