「スプリングを取り替える」
それが”ちょいアゲ”のやり方
「ちょいアゲ」の作り方は、スプリングの交換が主流と言って良いだろう。
要は純正バネをリフトアップに対応したスプリングに替えることで車高を上げるというわけ。
ただし、ここで気をつけたいのが、”車高の上げ方”へのアプローチ。極端な話をすれば、ガチガチに固い長いバネを入れれば車高は上がる。しかし、乗り心地が非常に固くなり逆底付きなどいった悪影響も。装着後に調整することができないため、アイテム選びが重要となる。
例えば、車検に対応する上げ幅と乗り心地にこだわって開発された、オリジナルのリフトアップバネ。このような、ちょいアゲ専用に発売されるスプリングは、各車種に合わせて純正ショックがきちんとストロークするよう作られている。
軽トラはリアの上げ方がちょっと違う
軽トラのリアサスペンションは、リーフスプリングが使われるなど一般的な軽自動車とは構造が違う。
そのため、リアはリーフと車軸の間にブロックと呼ばれる金属の塊を挟み込んで車高を上げるのだ。
「ちょいアゲ」で気をつけるべき3つのポイント
その1_スプリングを替えたら必ずアライメント調整を足まわりのパーツを交換したら”アライメント”は狂っていると思った方が良い。
なので、スプリングの交換後は必ずアライメントの測定と調整を行なおう。ヘタをすれば、走行性能やタイヤの偏摩耗による耐久性の低下などに問題が生じかねないことになる。
スプリングを交換して車高を上げた場合、フロントタイヤがポジティブキャンバー(正面から見てタイヤが逆ハの字になること)になることも。ショックの取り付け時に調整できる程度であれば問題ないが、大きく倒れてしまうのであればキャンバーボルトを使って角度を補正する必要がある。
その3_車高の上げ幅に合わせて光軸調整をしておくこと
もうひとつ、車高が上がるとズレてしまうのが”ヘッドライトの照射角”。
バンや軽トラには光軸調整するためのネジが設けられているが、オートレベライザー付きの車両はレベライザーで補正することが必要になってくることも。
車検の基準は何cmアップまで? 「上げ幅」について考えてみよう
リフトアップをする際に「車検に通るか否か」はかなり重要なファクター。というのも、「車検範囲内」のアゲであればそのままのスタイルで車検を通すことができるが、「車検適応外」の車高アップの場合は”構造変更”の申請など諸々の対策が必要になるからだ(逆に言えば、しっかりと対処すれば大きく上げても車検適応のクルマを作ることはできる)。
そこで問題となるのが「どこまでが車検範囲内か?」という点。
車検の規定では「ルーフまでの全高の変化が4センチ以内」と定められている。つまり、スプリングでの上げ幅とインチアップ(タイヤの厚みアップ)での上げ幅の合計が4センチ未満でなければいけない、というわけ。
ただし、これはあくまで「基本的には」という話。ちょいアゲの足まわりを「指定部品」とみればその限りではない、という考え方も正・否はさておき存在するらしい。かなり曖昧な部分もあるため、気になる人はショップ等で確認を。
まとめると、「スプリングの上げ幅=全高の変化」ではない。
全高は、スプリングで上がった車高にくわえて、ホイールのインチアップやタイヤ外径の変化も影響するため、この場合は全てを合計した車両の高さを指すので要注意だ。