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タイヤの空気圧は高すぎても低すぎてもダメ! インチアップ時の正しい空気圧とは?

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「インチアップの空気圧は高め」は都市伝説!?
タイヤの荷重指数と指定空気圧から算出できる

純正より大径のホイールに交換したとき、タイヤ内の空気量が少なくなるから空気圧は高め(3〜3.5kgf/cm2)にする人もいるようですが、日本規格のタイヤの最高空気圧は2.4kgf/cm2(エクストラロードタイヤを除く)で設計されている。
じつは正しい空気圧は、純正タイヤの荷重指数(ロードインデックス)と空気圧から算出される「耐荷重」で決まる。自動車メーカーが設定したこの数値を下回らないことが重要だ。

自動車メーカーが指定するタイヤの空気圧は、ドアを開けたBピラーまわりに(輸入車はフューエルリッドというケースもある)貼られているステッカーで確認できる。

輸入車などは、オプションのタイヤ&ホイール、乗車人数&荷物量などで細かく空気圧を指定しているケースもある。

ホイールをインチアップなどして純正とは異なるサイズのタイヤを装着するとき、注目してほしいのがロードインデックス(荷重指数)だ。

ロードインデックスとは、タイヤ側面に刻印されているタイヤサイズ表記末尾の数字。
写真の245/35ZR(95Y)というサイズのタイヤの場合、「95」というのがロードインデックスである。

一般的な国産タイヤならば荷重指数「95」であれば最大690kgの荷重に耐えられるように設計されている。しかし、その耐荷重は空気圧によって変化する。
つまり、メーカー指定の空気圧2.3kgf/cm2ならば耐荷重は675kg、1.9kgf/cm2ならば600kgと異なるわけだ。
※九州タイヤRDサービスホームページよりJATMA規格の耐荷重表

 

タイヤの規格が異なると、
荷重指数が同じでも空気圧が異なる

ところが、タイヤには下の写真のように「E」と記されたヨーロッパ規格(ETRTO規格)と日本規格(JATMA規格)の二つがある。ETRTO規格のタイヤはJATMA規格のタイヤより同じ空気圧でも荷重指数(kg)が若干低いので注意が必要。具体例をあげると、純正タイヤが日本規格のタイヤでロードインデックス「95」、指定空気圧が2.3kgf/cm2の耐荷重は675kg。このクルマにヨーロッパ規格(ETRTO規格)のロードインデックス「95」のタイヤを装着したとき、耐荷重675kgを確保するには空気圧は2.4kgf/cm2と0.1f/cm2高める必要がある(正確には2.4kgf/cm2では670kgなので2.5kgf/cm2弱)。

また、耐荷重性能強化タイヤと呼ばれるエクストラロード(XL)、リインフォースド(Ref)も同じ耐荷重を確保するには空気圧が異なるので注意が必要だ。

インチアップしたサイズのタイヤのロードインデックスが純正タイヤと同じまたは大きくなっても、構造的な部分から標準タイヤより空気圧を高く設定しなければならないケースもある。
このような空気圧とロードインデックスから耐荷重を算出する表は、タイヤメーカーのホームページなどにも掲載されているのでチェックしてほしい(下記のリンクからも可能)。

ロードインデックスと空気圧から荷重指数一覧表(九州タイヤRDサービスホームページ)」】

その一方で、インチアップして装着したタイヤのロードインデックスが純正より低いと、自動車メーカーが指定するタイヤの荷重が不足するため、タイヤ損傷によるバーストなどのリスクが高まる。
このようなタイヤを装着する際は、空気圧を高めて耐荷重を指定値以上にする必要があるが、車検はパスできないので要注意だ。

また、充填できる空気圧は、ヨーロッパ規格(ETRTO規格)が2.5kgf/cm2、日本規格(JATMA規格)は2.4kgf/cm2、XLまたはRefのタイヤは2.9kgf/cm2が上限となっている。
それ以上の空気を入れても、タイヤが変形し本来の性能を発揮できないばかりか、偏摩耗の原因となる。過剰な空気圧は止めた方が賢明だろう。

ちなみに空気圧の単位は、kgf/cm2、kps(キロパスカル)、ber(バール)が代表的であるが、「2.0kgf/cm2=200kps=2.0ber」とkpsだけ3桁表記という違いはあるが、数値上のズレはないので覚えやすいだろう。

空気圧のチェックは、ガソリンスタンドなどの空気入れのメーターでもできるが、できれば自分専用のエアゲージを用意してほしい。
なぜなら、エアボンベのゲージは店によって誤差があるので正しい空気圧を設定しにくい。そこで常に同じゲージで計測することで、正しい空気圧管理ができるというわけだ。
なお、自分専用のエアゲージの計測精度を確かめるため、信頼できるタイヤショップなどのゲージと計測値を比較してみるといい。もし、ズレがあったとしても、その差を差し引きす使えばいい。

このように「インチアップしたからタイヤの空気圧は高め」と単純なものではないことをご理解いただけただろうか?

ちなみに、タイヤの空気圧は冷間時に計測する言われているが、日向と日陰でも差がでるほどだからガソリンスタンドまででも温まって空気圧が高まる。特に今年のような猛暑では、正確には計測できないことも。少なくとも指定値以上または0.1〜0.2kgf/cm2増し設定することをオススメする。

下の写真のタイヤは、空気圧不足が原因で内部損傷(矢印で指した膨らんでいる部分)を起こしたもの。
外観からはまったくその損傷が認められず、このまま走行していれば、トレッドとサイドウォールが剥離してバーストしていたかもしれない。

タイヤの空気圧は、過剰に高める必要はないが、不足しているほうがリスクは増大するという好例だ。
また、気温が下がる冬は空気があまり膨張しないので、空気圧は逆に高めにしておいたほうが良いだろう。

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