アメリカではメーカー純正ポリス仕様を設定
退役パトカーは一般市場に払い下げられる
アメリカ車の趣味カテゴリーの中には、「ポリスカー(パトロールカー)」や「ファイアートラック(消防車)」といった、いわゆるエマージェンシー・ビークル(緊急自動車)がある。
中でもポリスカーは、わが日本でも根強い人気とコアなマニアがいる世界だ。そこで8月22日に東京・お台場で開催された「SUPER AMERICAN FESTIBAL」の会場で”警備(?)”に当っていたマニア達の車両を紹介しよう。
ここで誰しも気になるのは、このポリスカーってホンモノ? ということかもしれない。
答えは「元ホンモノ」。アメリカのポリスカーは、全て自動車各メーカーの手で「ポリスパッケージ」という形で生産される。その上でライトバーなどの装備やボディグラフィックを施し各警察に配備され、規定走行距離が過ぎたものからオークションで一般に払い下げられる。
規定走行距離は多くの場合6万マイル。つまり9万6000kmだ。この数字、一般的な感覚だとやっぱり多いな…と感じてしまうかもしれないが、ハイウェイパトロールなど日常から走行距離が多い部署だと1年そこそこで達してしまうことも珍しく無い。
またその間、定期メンテは厳正に行われていることから意外と痛みも少ない。実はこの払い下げポリスカーの行き先で一番多いのはタクシーであり、そこでも優れた耐久性を発揮しているというわけだ。
もちろん、払い下げられたポリスカーにはポリス関連の装備は何も無く、残っているのはAピラーのガンスポットライトくらい。ただしライトバーや内装の無線コンソール、フロントのプッシュバーなどは専門業者から新たに調達することも可能。それらを経て、今ここにあるのが元ポリスカーというわけだ。
ちなみにポリスパッケージというのは通常の市販車に大容量オルタネータ—、大容量ラジエター、大容量バッテリー、大型AT/パワステオイルクーラー、高耐久性シリコンラジエターホース、強化サスペンション、場合によってはLSDまで追加したもので、実は日本の過酷な道路環境にもマッチしているという一面もある。こう書くと、何か欲しくなって来たりするでしょ?
クラウンビクトリアのポリスパッケージの多くは、トリム類がクロームではなくブラックペイントかつ、モールなどは最初から装着されていない個体も多かった。また標準はスチールホイールであり、アルミホイールは特別装備だった。