古き良き’50sのアメリカ車を象徴する
カーデザインこそ「テールフィン」だ!
第二次世界大戦後、アメリカ車は1948年頃から戦後設計のニューモデルが続々と市場に投入されることとなった。
その中で、最もエポックメイキングなモデルと言えば、1948年型のキャデラックだろう。
このモデルこそは、その後10年以上にわたってアメリカは元より全世界のカーデザインに大きな影響を及ぼすこととなる、いわゆる”テールフィン”を導入した最初の存在だった。テールフィンを考案したGMのデザイナー、ハーレイ・アールは、ロッキードP-38戦闘機の尾翼からインスパイアされたことを自ら語っている。
ちなみに1950年代初めまでのテールフィンは、その存在を明確に主張しながらも大きさは控えめだった。それが次第に大きくなるのは1950年代半ば。1950年代の終わりには、まさにそびえ立つという表現がふさわしい姿にまでなっている。
今回、お台場で開催された「スーパーアメリカンフェスティバル 2018」では、1950年代を代表する魅力的なクルマ達がズラリ。編集部が注目した12台をピックアップしてみた。
【1959年型 ビュイック・インビクタ】
個性的なフェイスとスタイルのビュイックを、発売当時のカスタムスタイルと共に美しく仕上げた一台。1950年代と1960年代の狭間で両者のデザイン上の特徴。すなわちテールフィンとフラットでストレートなラインが混在している。
【1959年型 フォード・サンダーバード・コンバーチブル】
1955年にデビューした初代サンダーバードはコンパクトな2シーターボディで、ベイビーバードと呼ばれたが、1958年型からの二世代目は4シーターに大型化されたことで、ニックネームもスクエアバードとなった。オリジナルを重視した一台。
1959年型サンダーバードのインテリアはカラフルかつ上手なクローム使いが特徴。1950年代のアメリカ車が現代のそれと一番異なるのがこのインテリアである。
【1956年型 オールズモビル88コンバーチブル】
1959年型のクルマと比較すると明確にデザインコンセプト、そしてディテールが異なっている1956年型オールズモビル。4灯式のヘッドライトがアメリカで認可されるのは1957年のことであり、多くのクルマに採用されるのは1958年からのことだった。
オールズモビル88コンバーチブルのインテリア。カラーリングはもとよりスイッチ類のディテールも美しい。
ダッシュボード上部のクラッシュパッドはまだ珍しい装備だった。メーターパネルのデザインには、1930年代に大人気だったアールデコの影響がまだ残っている。
【1953年型 オールズモビル98】
“98”はオールズモビルの最上級モデルであり、この2ドアハードトップは非常に高いプレミアム性と共にブランドのトップに君臨。クラシカルなボンネットフードの盛り上がりは、1950年代前半のクルマでは普通に見ることができた。
【1953年型 キャデラック・クーペ・ドヴィル】
1950年代前半の重厚なイメージが魅力のキャデラック。テールフィンが投入された最初の世代のモデルだが、そのテールフィンはまだ小さかった。