長期間放置されたドンガラと思えぬほどに
活き活きと蘇った”瑠璃色ライフ”
パッと見、艶やかな瑠璃色のボディに視線が注がれる「ホンダ」・『ライフ』。全体的にはやんちゃさを抑え、純正風の佇まいを大事にしているが、オーナーと現愛車との出会いは10年以上前に遡る。
”ライフの2ドアが好きで、ずっと探していたんですが当時は車両自体出てこなくて。途中諦めて「マツダ」・『シャンテ』を購入してカスタムをしました”。ただ運がいいのか悪いのか、仕上げた後すぐに『ライフ』発見の情報を耳にする。
カスタムでお世話になっている「近藤レーシング」さんのところに、”ドンガラ(=ボディのみ)”ならうちにあるよと。その『ライフ』は前オーナーから引き取り後、11年間も雨ざらし&部品取りだったのか、フェンダーや窓、インパネ、エンジンもなく、リアタイヤのみなんとか付いていた、まさにリアル草むらヒーロー状態だったのだ。
”『シャンテ』を作るのにお金も使ってたし、『ライフ』は廃車寸前の状態。またお金がかかるので悩みましたね。けど、ショップの人も半分冗談で”保管しておきます?”って言ってきたんだと思いますが、当時はノリで〝はい〞と答えちゃったんです。それがきっかけです。”
ずっと欲しかったモノが目の前にあるのだから簡単には諦められない。一応保持しつつ気運を待つことに。そうこうするうちに持ち帰ってからさらに10年の時が過ぎ、ようやく復活の時を迎える。
まずは部品集め。配線& ハーネス、ドア、ガラス、エンジンなど、全てをイチから収集。残念ながらリアシートは状態の良いものが見つからなかったため、2名乗車へと記載変更をすることにした。
完成後、ショップさんが前オーナーを知っていて、その方に『ライフ』の現状の写真を見せたら、”おぉ、まだ走りよったんか”とかなり喜んでくれたそう。
なんとも深イイ〜話である。
フロントハーフスポイラーは近藤レーシングにて製作。”ベースはパスタスポーツが昔作っていたスポイラーですが、ボロボロ状態。イチから作り直しました”とのこと。
ドンガラ状態からのスタートのため、エンジンも当然探すところからスタート。ヘッドのメッキ加工、CRキャブ、ピストンのメタルやオイルポンプなどはWPCカットとチューンドしながら仕上げていった。
前後フェンダーは3cmの叩き出し。足まわりは、「近藤レーシング」オリジナルのストラットに「クスコ」のEP82スターレット用のピロアッパーを加工装着。リアショックは『GAZオールドミニ』のフロント用をリアに流用した。
また、ドアのレインガーターをスムージングし、ガラスは素ガラスを投入。”純正のグレードによってはグリーンがかっていますが、あえてなかなか出てこない白ガラスにしました”。
リアゲートは鈑金経験を持つオーナー自らが施工。ナンバー移設は、”バンパー下にただ貼り付けるのは違和感ハンパないので、バンパーポケットをワンオフしてます”。ウイングは「トヨタ」・『カリーナ』用をカット&パテ埋めで表現する。
ステアリングは「MOMO」製の35φ。ホーンは旧マークをイメージしたエアブラシ。
”友人に描いてもらいました。メーターの木目も同様に描いてもらっています”。シフトは工具の持ち手をアレンジしたもの。
”バケットシートは友人から頂きましたが、メーカーは不明です(笑)”。前述のように2シーター化は、年式を考えても状態のいいリアシートがなかったのと、乗ることがほぼないための選択。
ロールバーは、「ホンダ」『 N360』用の5点式。台座を作り直して『ライフ』に合うように加工してもらったそうだ。
EXTERIOR
●Fリップ:近藤レーシング 箱スポイラー ●Rウイング:カリーナ用加工
●マフラー:アルティア オールステンレス 50Φ ●ペイント:瑠璃色(オールペン)
●その他:レインガーター・トランクスムージング、ナンバーリロケート、エンジンメッキ加工、コア増しラジエーターほかFOOTWORK
● ホイール:SSR マークⅡ F5.0J×10・inset10/R6.0J×10・inset12
●タイヤ:ブリヂストン F145-70/R145-80
●フェンダー:タタキ出し
●足まわり:近藤レーシングオリジナルストラット+EP82クスコ ピロ加工、近藤レーシング・オリジナルリアアクスルINTERIOR
●ステアリング:MOMO 35Φ ●インパネ:tkオリジナルペイント、木目エアブラシ
●シート:メーカー不明バケット ●その他:5点式ロールバー(2名乗車公認)
取材協力:近藤レーシング
http://kondoracing.konjiki.jp/