リクライニングさせてもシート凹凸は残る
フラットにするだけで疲れが大幅に軽減
釣りや日帰り登山、スキー&スノーボードなどでは早めにフィールドに到着、車内で朝を待つことは決して珍しいことではない。
シートを倒して寝袋をかぶるだけでもいいが、無理な姿勢では足がむくみ、運転の疲れが残るだけ。万全の体調で遊ぶために、仮眠ではあってもシートをフラットにして気持ちよく眠りたいものだ。
背中の違和感を解消する厚みに注目
まずはシートをフラットにしたら、シートの隙間やデコボコ部分にタオルや着替えなどを詰めてできるだけ平らになるよう整える。
上の写真の右側のようなペラペラの銀マットだけでは背中にデコボコを感じてしまうので、左側のような厚手のマットを敷くことで背中の違和感がずいぶん和らぐ。車内泊では、マットの厚みが重要だ。
マットには、空気を注入するエアマット(自動膨張するインフレーターマット、極厚のエアベッドもその一種)と、空気を注入しない「クローズドセルマット」(EVA製ロールマットなど)がある。
クローズドセルマットは広げるだけでよく、収納性は今ひとつだが軽い。穴空きの心配がなく、長く扱えるのもうれしい。
一方、エアマットは薄手から極厚まで幅広いバリエーションから厚さを選べる。コンパクトに収納できることも利点だ。特有のフワフワとした寝心地で、腰や肘、膝などに体重を集中させると底付きする場合があるので要注意。
手持ちの薄手マットを利用するなら、マットやブランケットを重ねることでデコボコ感を改善することができる。
家族3人でミニバンの車内で仮眠する場合は、車内の幅にフィットするダブルサイズのエアベッドを利用すると快適。ひとり用マットを並べるとどうしてもマットの隙間や重なりができて、寝心地が悪くなるからだ。
エアマットは空気の出し入れをチェック
車内泊を快適にする厚手のエアマット、エアベッドだが購入前に「空気の入れ方と抜き方」を必ず確認しておきたい。というのも、厚みがあるほど空気を入れる(=息を吹き込む)のも、撤収時に空気を抜くのも時間がかかるから。小さくたたむ際もやっかいだ。
収納袋がポンプにできるエアマットなら、息を吹き込まずにすむので、肺活量の少ない人にはオススメ。注入口にポンプを装着し、袋に空気を入れてから袋を丸めるようにして絞るだけでいい。別ブランドの防水バッグ兼用ポンプでも、マットの注入口とフィットすれば使用可能だ
なお、極厚エアベッドではポンプが不可欠。早朝深夜に使うことを考えると電動ポンプは音が響くので、周囲への配慮からオススメできない。また、安い電動ポンプは音ばかりで空気の充填が悪いケースも多い。
効率のいい手動ポンプを用意しておきたい。
浮き輪などを膨らませられる足踏み式ポンプでも良いが、少しかさばるがダブルアクションハンドポンプは押しても引いても空気が入るので効率はバツグン。
さらに空気を抜くときは、ポンプが空気を吸引する側のノズルにマットと接続しているホースをつないで膨らますときと同様にハンドルを上下させれば、オモシロイほど簡単に縮んでいく。まさに空気を強制排出しているというイメージだ。
空気の注入口がワイドで同等マットより短時間で空気入れが終了するものがある。
空気の注入はもちろん、撤収時もスピーディでストレスがない。ほかに、フットポンプ内蔵マットなど楽に準備ができるマットが増えている。
アウトドア用品専門店では、実際に自分でエアを入れて寝転び、寝心地を確かめられるサンプルを置いていることが多い。
寝心地の感じ方は人それぞれなので、できれば購入前に店頭で一度体験しておこう。