発表された29年前の新車価格は約670万円!
欧米でブレイクした日本が誇る高級車
セダンの世界基準を変えたとも言われた1989年に登場した初代トヨタ・セルシオ。一説には、その車内静粛性の高さに驚いたメルセデス・ベンツが発表直前のSクラスの窓ガラスを2重構造にして防音性を高めたとか。
そんな初代セルシオも登場から29年が経過し、現在の中古車市場の平均相場価格は80万円未満。かつての高嶺の花がグッと身近な価格帯になっている。
10系セルシオ(初代モデル)は、当時現行だったトヨタ13系クラウン(8代目)の上を行く高級セダンとして、89年に華々しくデビュー。
13系クラウンの最上級モデル、4.0ロイヤルサルーンGマルチビジョン付きの車両本体価格が465万円だったのに対し、10系セルシオの最上級である4.0C仕様Fパッケージは669万6000円。
カスタム業界を盛り上げたセルシオ
1990年代のセダンをドレスアップするVIPセダン業界をリードしていたのも10系セルシオで、エアロパーツのラインアップはVIPセダンというジャンルが生まれる前から充実していた。
カスタマイズするオーナーもかなり多く、有名車がセダン雑誌の表紙を飾っていたほどだ。
その後、セルシオは20系(2代目)、30系(3代目)とモデルチェンジする毎に、カスタム業界を盛り上げるわけだが、もしも10系セルシオが失敗していたら、このジャンルは早々に廃れていたのかもしれない。
そんな10系セルシオだが、同年代のトヨタ・クラウンや日産シーマなどのセダンに比べると、カスタマイズしているオーナーは少ない。
理由は諸説あると思うが、エンジンがV8の4リットルしか設定がないため、税金の高さがネックか。しかし13系クラウンにも人気の4リットルV8があるので、必ずしも維持費を気にして避けるというわけではないようだ。