中古車市場で30万〜80万円で手に入る
「市場に流通している台数は少なめだが、大切に乗られたワンオーナー車がたまに出回ります。名車ゆえに初代セルシオに対して思い入れのある中古車販売店も多く、程度によっては超絶プライスを付けることもありますね」と、旧車やハイソ系セダンなどを販売するプレストクリエイティブオートの吉澤店長は語る。
グレードは上級からC仕様、B仕様、A仕様。C仕様は後部座席の快適装備を充実させたFパッケージも用意された。
足まわりはC仕様がエアサスで、B仕様とA仕様は金属バネとなる。車高調式サスペンションなどに交換することを前提にしている人なら、C仕様に匹敵する高級な装備を携えたB仕様がオススメと言える。
当時、人気だった純正オプションはフロントリップスポイラー。小振りではあるが、現在でも人気の高いアイテムだ。
1989年10月〜1992年7月が前期型で、後期型は1992年8月〜1994年10月。前期・後期で意匠の大きな違いはないが、後期型ではグリルデザイン、サイドステップ、ハイマウントストップランプの形状が変更されている。また、後期型では「TOYOTA」のエンブレムが廃されている。
今回の撮影車は前期型のC仕様Fパッケージ。走行距離は6.8万kmで販売価格は58万円(諸経費別)。
10系セルシオが搭載するエンジンは、1UZ-FE型4リットルV8のみで、NAながら申し分ない走行性能を持っている。最高出力は260馬力、最大トルクは36kg・m。
1UZ-FE型は耐久性が高いエンジンだが、年式を考えると劣化の可能性のあるゴム類は新品に換えておいたほうが賢明。また、パワステポンプからのオイル漏れもありがちなトラブルだという。
青空駐車していた個体の内装は、本革シートの劣化による割れやダッシュボードが微妙に浮いていることがあるようだ。
「10系セルシオはお金をかけて開発されただけあって、外・内装の作りが本当にすごい。細かいところまで見ると気になる点はありますが、それでも状態が悪すぎる個体は少ないですね」と吉澤店長。
なお、購入するときには、電動機能がきちんと動くかも要チェックポイント。シートスライドはできてもリクライニングが動作するかまで確認してほしい。
また、今では当たり前のオプティトロンメーター(自発光式メーター)を、日本車で初めて採用したのも10系セルシオ。ただ個体によっては、液晶の抜けや不点灯などの故障が出ている場合もあるという。
今は割と手が届きやすい価格で購入できるが、再び人気が出れば高騰の可能性も。買うなら今のうち!?
取材協力:プレストクリエイティブオート TEL0569-25-0062
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