高齢者や体力に不安のあるご家族と一緒にクルマで出かけるとき、ネックになるのは乗り降りです。
福祉車両に買い換えるという選択肢はもちろんアリですが、今あるクルマにちょっとしたサポート機能を後付けする方法もあります。
そこで自家用車を手軽にバリアフリーに近づけられるアイテムを3つご紹介しましょう。
SUVやミニバンに「補助ステップ」
近年の流行で、もはや定番ともなっているのがSUVやミニバンタイプの自家用車です。見晴らしよく荷物も積めてファミリーカーにぴったりですが、その車高の高さゆえに少々乗り降りに体力が必要な場合も。
そこで便利なのが「補助ステップ」。乗降口と地面の間に1段ステップが出てくることで、お年寄りや足元に不安のある方、子ども、スカートや和服姿の女性など、皆が乗り降りしやすくなるツールです。
今、主流となっているのは、ドアの開閉と連動して電動で出し入れするタイプ。汎用品もあり、後付けすることができます。ただしステップは床下に収納されることが多いので、車高には十分注意する必要も。
また、手動式、室内に格納するものなど、様々なタイプが販売されているので、まずはショップに相談してみるのがオススメですよ。
乗り降りラクラク「回転シート」
足元に不安のある方にとって、体をかがめて車に乗り込んだり、シートの上で方向転換をして立ち上がるのは大変な作業です。
そこで便利なのが、助手席や後席を乗降口に向けて回転させられるシート。自動車メーカーが販売する福祉モデルも多くあり、また福祉架装の専門業者には軽自動車や輸入車など様々な車に後付けしてくれるショップもあります。
さらに気軽に試すなら、座席に置くだけの「回転するクッション」も販売されているのでチェックしてみてください。
手すり追加で乗降性アップ
ご自身で乗り降りことができる高齢者を送迎するときなどに強い味方になってくれるのが「手すり」。
福祉車両は元から付いていることが多いですが、後付け(メーカーオプション)も比較的手軽にできるのが嬉しいところです。
後席の乗降口に手すりを取り付けたり、Aピラーにグリップを付けると、乗り降りがかなり楽になります。これらは福祉架装の専門ショップなどで取り付けてもらうことができます。
またヘッドレストにかけるタイプの手すりは、乗車中や、体をシートから起こす時に便利。比較的安価に自分で取り付けられるのも、挑戦しやすいポイントです。
福祉車両を自家用車として購入するのが一般的となりつつある昨今。
逆に自家用車に「カーアダプテーション(ニーズに合わせてクルマを改造すること)」を施し、福祉車両に改造するという選択肢も増えています。家族のライフスタイルに合わせて、徐々にバリアフリーへ移行していくのもいいかもしれませんね。
※紹介するのは、体の不自由な方や高齢者への配慮がなされているという意味での「福祉車両」であり、助成や税制の優遇等を受ける要件を満たすものではないのでご注意ください。